中古車業界が揺れる中、中古車クレジット・故障保証:プレミアGに揺るぎなし

2023年9月30日 17:45

印刷

「エンキロ」のロゴ(画像: プレミアグループの発表資料より)

「エンキロ」のロゴ(画像: プレミアグループの発表資料より)[写真拡大]

 ビッグモーターの不正炎上、ネクステージ(東証プライム)への飛び火懸念。当然、中古車関連企業の動向が気になる。

【こちらも】10%台半ばの営業利益率&ROE2桁続く:ウェザーニューズの実態を覗いた

 プレミアグループ(東証プライム。以下プレミアG)。中古車のオートクレジットと、故障保証を主軸としている。プレミアGでは「ビッグモーターとの取引は僅かで、業績への影響はなし」と発信している。今3月期の計画を含む3期間の収益動向は、こんな状況。

 2022年3月期「16.8%増収、13.7%営業増益、23.4%最終増益、5円増配51円配」。23年3月期「20.9%増収、5.1%営業増益、36.2%最終増益、21円配(22年9月1日付けで1対3の株式分割。実質12円増配63円配)」。

 そして今期は「20.7%増収(305億円)、38.93%営業増益(59億円)、4.9%最終増益(42億円、連続最高益更新)」計画。第1四半期は前年同期比「25.5%増収、23.8%営業増益、27.5%最終増益」で立ち上がった。

 主要事業の強みは、差別化戦略。

★ファイナンス事業: オートクレジット/オートリース。独立系。銀行傘下である競合の信販会社にかかる法規制と無縁。具体的には、故障保証・整備板金サービス・オートコンシェルジェ・自動車仕入れサポートが可能。

★故障保証事業: 購入時にファイナンスと一緒にワランティ(故障保証)を申し込むと、(保証範囲内で)修理が無償。申し込みはWeb&自動車販売店の店頭で完結。審査時間は最短10分以内。自動車修理工場を自社で運営。

 差別化戦略の拡充にも、積極的姿勢を見せている。

 9月1日、「100%孫会社のPLSが、DRD4と提携しエンキロサービスを提供」と発表した。エンキロは走行距離に応じた支払いで利用できる、マイカーのリースサービス。一般的なマイカーリースより月額固定料金を低額に設定し、従量料金を支払うリースサービス。

 プレミアGの本稿作成中の時価は1600円出入り水準。予想税引き後配当利回り1.3%余。7月末に1908円まで買われ、8月中旬に1475円まで整理が進み出直り基調。中古車業界の懸念とは、立ち位置を異にしている。

 信用取引の取組も「買い長」、58.97倍。IFIS目標平均株価は算出者全員が「強気」姿勢の2800円。先高期待を感じさせる。2017年12月21日の公開初値:2220円(公開価格比100円安)と小さく生まれながらも順調な株価推移を示している。

 目先云々ではなく、中長期構えで臨むべきということか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事