スキマバイト「タイミー」、65歳以上の利用者が4年間で約145倍に急拡大

2023年9月12日 16:33

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65歳以上のワーカー数推移(画像:タイミーの発表資料より)

65歳以上のワーカー数推移(画像:タイミーの発表資料より)[写真拡大]

  • タイミーに登録しているシニアの年齢分布(画像:タイミーの発表資料より)

 スキマバイトサービス「タイミー」を運営するタイミーは11日、65歳以上のシニアワーカーの利用実態レポートを公開した。

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 タイミーに登録しているシニアワーカー数は、2023年7月時点約4万人となり、19年比で144.6倍に急拡大。コロナ禍でも利用者は増え続け、20年以降は毎年約2倍の成長を達成した。タイミーでは、シニアにも利便性の高い働き方が支持され、利用拡大につながったと推測している。

 スキマバイトサービスのタイミーは、働きたい時間と働いてほしい時間をマッチングするバイトサービスで、18年8月にリリース。学生起業家の小川社長が立ち上げた当時日本初の仕組みは注目を集め、19年10月にはジャフコなどから20億円を資金調達。同年11月には導入企業2,000社を突破した。

 コロナ禍では、デリバリーや在宅勤務なども取り入れながら、ファミリーマートやららぽーとなどと提携も推進。成長を続けており、タイミーで働いたワーカー数は23年6月時点で、累計500万人を超えている。

 ワーカーの年齢層は、20~40代がメインで約7割を占める。2023年6月にはワーカー数が500万人を突破しているため、65歳以上は全体の約1%と少数だ。だが今回のレポートでは、19年にはわずかだった65歳以上のワーカーが年々増加し、約4年で4万人へとと急拡大している実態が明らかにされた。この間、タイミー全体でのワーカー数は、約7倍となっていた。

 65歳以上の年齢分布では、65~70歳が69.6%を占め最多。高齢になるにつれ割合は減るが、75歳以上でも7.5%と一定数のワーカーがおり、最高齢の働き手は87歳という。

 75歳以上の働き方としては、週1~2回が55.9%で半数を超える。1回での稼働時間は3~4時間が最多で32.9%、次いで7~8時間が29.2%とフルタイムでの稼働も少なくない。

 働き先は、スーパーやコンビニ、飲食店、ホテル、物流など様々で、接客や調理、清掃、仕分けなどを担っている。75歳未満のシニアの働き方はレポートでは触れられていない。

 シニアワーカーからは、自分の都合で働けるのが助かる、働く喜びや社会との関わりを感じながら活躍の場が得られる、心と体を若く保つために利用している、年齢的に面接を受けても採用されなかったがタイミーだと年齢に関係なく働ける、などの声が寄せられているという。

 「人生100年時代」と言われて久しい。政府は、定年年齢の引き上げなどで高齢者の働く環境の整備を推進。そうした取り組みや人手不足の影響もあり、65歳以上の高齢就業者数は2004年以降18年連続で増加し、909万人と過去最多を更新した(総務省統計局、21年時点)。

 一方で今回のレポートでは、年齢が理由で採用されずタイミーを活用しているコメントが掲載され、同サービスが受け皿になっている様子も伺える。

 タイミーが掲げているミッションは「『働く』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」。同社は今後も、シニアを含む様々な世代が働きやすい環境整備と働く機会の提供を続けていくという。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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