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NYの視点:金融不安がくすぶる、FRBの利上げ見送りも
記事提供元:フィスコ
*07:39JST NYの視点:金融不安がくすぶる、FRBの利上げ見送りも
米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスがM&Tバンクなど米銀中小10行を格下げたほか、キャピタル・ワン、PNCファイナンシャルなど11行の格付見通しも安定からネガティブに引き下げたため金融不安が再燃した。ムーディーズは資金調達コストの上昇や当局による潜在的な資本規制強化、さらに商業不動産に絡んだリスクの上昇を理由に挙げた。さらに、米銀のUSバンコープ、ステートストリートなど6行に対し、格下げ方向で見直すと発表。
3月初旬のシリコンバレー銀(SVB)など中堅銀の破綻が相次いだことを受けて連邦準備制度理事会(FRB)は総資産1000億ドル以上の銀行対象に規制強化案を発表した。今まで含めていなかった中手銀も対象となる。
JPモルガンなど大手銀は、SVBなどの破綻はあくまでも各行幹部による管理の甘さが招いた結果によるもので、中小規模の機関に対する規制強化は必要はなく、規制強化が逆に金融不安を煽り、さらに、景気の減速にも繋がりかねない、と反発。万が一、中堅の銀行も含めた規制強化が実施された場合、金融システムが脆弱となるリスクが上昇する。
NY連銀が発表した4-6月期クレジットカード残高が初めて1兆ドルを突破。同時に返済が滞っている消費者比率も上昇した。消費者の状況がすでに脆弱になり始めている状況下で、金融システムの混乱は回避が望ましい。金融リスクの上昇もFRBが利上げを見送る新たな理由になる可能性がある。《CS》
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