原油価格の上昇傾向は続くのか?

2023年8月9日 08:29

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●OPECプラスが協調減産維持

 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟国で構成されるOPECプラスは4日、合同閣僚監視委員会(JMMC)をオンラインで開催し、現行の協調減産を維持することを確認したと、ロイター通信などが報じている。

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 また、サウジアラビアが独自で行っている日量100万バレルの自主減産も、9月まで延長する方針であることを明らかにした。

 2023年4月に減産幅拡大というサプライズで1バレル=87ドルまで上昇した原油価格だが、長続きはしなかった。

 しかし7月に入って再び上昇し、前月比15%近くも上昇する場面があった。

 ここにきて、上昇する理由は減産以外に何があるのだろうか?この上昇はまだまだ続くのか?

●考えられる上昇の理由

 米国では利上げの影響による景気悪化で、原油需要が減少すると見られていた。

 予想に反し、米国景気は粘り強く、ソフトランディングへの期待が高い。需要の高さが原油を下支えしていることも考えられる。

 米国の原油在庫が予想以上に減少しており、サウジアラビアの自主減産の影響も大きいかもしれないが、需要が予想を上回っていることを裏付けている。

 世界的な猛暑により、住宅などのエアコンの使用が増加していることも原油価格上昇につながっていると考えられる。

 米政府は戦略石油備蓄(SPR)の補充を計画していたが、価格上昇を受けて見送った。

●しばらく続くのか?

 米国の景気は今のところ持ちこたえてはいるが、世界的なインフレとそれに伴う利上げはまだ解決したわけではない。

 いつ景気悪化が顕在化するかは不透明である。

 原油の最大の消費国である中国は不動産市場の悪化により、景気全体が冷え込み、それが原油需要にも影響が出ることも考えられる。ロシア問題も解決していない。

 日本を含め、非産油国にとって原油価格の上昇は好ましくない。しかしサウジなどの産油国からすれば、原油価格を維持したいという思惑があり、仮に需要がひっ迫していても、減産を簡単にはやめないだろう。

 さらなる大幅な上昇は考えにくいが、しばらく高値は続くだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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