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生成AIに関する日本企業の動き
生成AIのニュースを聞かない日はない。その先端を走るChatGPTは、ブラウザやアプリで気軽かつ無料(有料版もあり)で個人利用が可能なため、学生は勉強の中で、社会人は仕事の中で活用しているケースも多いだろう。
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ChatGPTは、サービス開始から2カ月でアクティブユーザが1億人を超えたと言われ、野村総合研究所が2023年4月に行ったアンケート調査では、回答者の61.3%がChatGPTを認知し、12.1%が実際に利用したことがある、というものであった。この調査結果は、世の中に浸透してきていることを示すと言えるだろう。
ChatGPTを使ったことがある人なら、その便利さに驚いたと思われる。テーマを与えたり質問をするだけで文章を作成するだけでなく、添削やブレインストーミングまでできてしまう。学生なら、宿題のレポートタイトルを入れるだけでレポートそのものができ上がってしまうため、便利すぎることへの警鐘も鳴らされている。
ChatGPTはAIを利用したアプリケーションであり、AIの中でも生成AIと呼ばれる分野の技術を用いている。この分野での主要プレーヤーは、ChatGPTを開発したOpen AIに大規模な出資をしているMicrosoftと、Googleである。それぞれ分厚い資本で投資や研究開発を進めており、Chat GPIに遅れをとったGoogleは、「Google Bard」を公開し巻き返しを狙っている。
MicrosoftとGoogleが展開を押し進めることで、生成AIの分野でも寡占が進む恐れがある。しかしここにきて、日本の企業から独自の動きが出てきている。NTTは、金融や医療業界向けに独自の生成AIを開発しており、NECも業界特化型の生成AI提供を視野に研究開発を進めていることを、森田隆之社長が述べている。
どちらも汎用的なChatGPTとは違い、業界特化を目指している点が特徴だ。またあえて性能を落とすことで、消費電力を抑えていることは、費用を含めた実用性を考える上でメリットになる。
AIは、何をどのように学習させるかでその性能が大きく左右される。また差別や倫理に注意を払いながら、最新の学習データを用意し続けることも、簡単ではない。つまり日本企業も、戦略や用途次第で活躍余地があるため、今後の展開次第でマーケットの中で存在感を高める可能性もあるだろう。(記事:Paji・記事一覧を見る)
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