台湾のTSMCも有力顧客:ローツェの足元を見る

2022年12月15日 14:52

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 ローツェ(東証プライム)。半導体製造で特異な分野を担っている。ウエハを製造装置から取り出す・向きを変える・次の工程に搬送する装置の製販企業。主な納入先は米国:アプライドマテリアルズ、台湾:TSMC。米国・台湾だけで輸出先の約5割を占める。総売上高の80%以上が輸出。

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 前2月期の「31.9%増収、109.9%経常増益、98.2%最終増益、35円増配65円配」に続き、今期も「32.4%増収、38.9%経常増益、41.6%最終増益、45円増配110円配」計画でスタートした。だが中間期決算開示と同時に10月11日、修正計画を発表した。

 「44.0%の増収(964億6600万円)、72・9%の経常増益(308億500万円)、77.7%の最終増益(227億9300万円)」。

 この限りではローツェのIRリリースを読まずしても、「円安の進行効果が想定以上」が背景と理解できる。

 が、頭を悩まされたのは、営業利益。期初計画の「56.4%の営業増益(247億3300万円)」から、「46.9%の営業増益(232億2500万円)」への減額修正。頭の中には「営業利益は、純粋な本業の利益を示す」という認識がある。

 ローツェに「お教えを」と問うた。返ってきた答えは、「受注予測に基づいた先行手配で長納期部品にかかるリスクは最小限度に抑えることができた。だが為替の大幅な変動で売上原価が想定以上に増加したため」だった。「それほど、円安進行は製造業に負担を背負わせた」と認識した。

 一方で面白い企業(銘柄)だなと思い、属性を調べて見た。

★仮に2013年の初値で買い9年10か月余り保有していると本稿作成時の時価は、分割等の影響を勘案した修正値ベースで36倍余のパフォーマンスを残している。

★時価(8000円出台前半水準)は4月14日の高値:1万3580円から9月6900円安値:6900円まで調整トレンドから、抜け出し水準を回復する状況にある。値動きはそれなりに荒っぽさが見受けられる。が、3人のアナリストが算出したIFIS目標平均株価は、3人が3人とも「強気」で1万2067円。

★時価の予想PERは6.32倍。機械業態の平均PERに比べても半分以下。過去に遡ってみても、低PER企業。

 時価の予想税引き後配当利回りは1%余り。仮に時価水準に対応するなら好配当を背もたれに、あくまで1万円超回復を睨み一喜一憂せず中期構えが・・・ということか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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