18日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で4日続伸、自動車セクターに買い

2022年5月18日 18:04

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記事提供元:フィスコ


*18:04JST 18日の香港市場概況:ハンセン0.2%高で4日続伸、自動車セクターに買い
18日の香港市場は、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比41.76ポイント(0.20%)高の20644.28ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が12.49ポイント(0.18%)高の7089.29ポイントと小幅ながら4日続伸した。ハンセン指数は約2週ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1126億7550万香港ドルにやや縮小した(17日は1241億3650万香港ドル)。


中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。証券専門紙は18日、「中国政府は6月初めにも、新たな『汽車下郷』(農村部の自動車普及策)政策を打ち出す見通し」と消息筋情報として報じた。政府関係部局はこのところ、雇用やインフラ投資、産業支援、消費振興などに向けた対策を相次ぎ発表している。また、米景気の鈍化懸念が薄らいだことも好材料。4月の米小売売上高は、変動率の大きい自動車などを除くベースで0.6%増加し、市場予想(0.4%増)を上回った。ただ、上値は限定的。売り圧力が意識されたほか、新型コロナウイルス感染の不安再燃で指数は安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が5.8%高、太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(シンイ・ソーラー・ホールディングス:968/HK)が3.9高、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が3.4%高、ニット衣料中国最大手の申州国際集団HD(2313/HK)が3.1%高と上げが目立った。創科に関しては、最大顧客の米ホームセンターチェーン大手、ホームデポが17日、通期業績ガイダンスを上方修正したことも好材料だ。また、米小売指標が堅調だったことも、米向け売上比率が大きい同社や申州国際にとって刺激材料となっている。


中国自動車セクターも高い。蔚来汽車(ニーオ:9866/HK)が7.3%、五菱汽車集団HD(305/HK)が6.1%、中国重汽(サイノトラック:3808/HK)が5.4%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.4%ずつ上昇した。


中国発電セクターも物色される。華潤電力HD(836/HK)が8.3%高、華能国際電力(902/HK)が7.8%高、中国電力国際発展(2380/HK)が5.0%高、華電国際電力(1071/HK)が3.4%高で取引を終えた。


半面、物流関連の銘柄群は安い。京東物流(JDロジスティクス:2618/HK)が6.3%、深セン国際HD(152/HK)が4.1%、円通速逓国際(6123/HK)が4.0%ずつ下落した。京東集団(JDドットコム:9618/HK)傘下の京東物流については、四半期決算が前年に続き赤字だったことを売り材料視している。Eコマースの京東集団も1.1%安とさえない。1〜3月期決算の赤字転落が嫌気された。


一方、本土市場は小反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.26%安の3085.98ポイントで取引を終了した。空運関連株が安い。エネルギー株、医薬品株、不動産株、食品・小売株、銀行・保険株なども売られた。半面、自動車株は高い。ITハイテク株、公益株、軍事関連株、証券株も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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