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炭素質隕石から遺伝子の主要核酸塩基5種すべてを同時検出 北大ら
北海道大学や JAMSTEC などの研究グループが 3 種の炭素質隕石から、すべての生物の DNA・RNA に含まれる核酸塩基 5 種の同時検出に成功したそうだ(北海道大学のプレスリリース、JAMSTEC のプレスリリース、Science News の記事、Nature の記事)。
5 種の核酸塩基 (ウラシル・シトシン・チミン・アデニン・グアニン) のうち、プリン塩基であるアデニンとグアニンはその他の有機化合物とともに、1960 年代から隕石中で検出されている。一方、ピリミジン塩基は隕石中の前駆的化学物質からも生成されることが予想されながら微量のウラシルが検出されたことがあるのにとどまり、シトシンとチミンは検出されたことがなかった。
今回、研究グループではマーチソン隕石 (オーストラリア・ビクトリア州) とタギッシュレイク隕石 (カナダ・ブリティッシュコロンビア州)、マレー隕石 (米国・ケンタッキー州) に対し、常温の超純水で化合物を抽出するという、北海道大学の大場康弘准教授らが開発した最新の手法を用いて検出を実施。前生物的な遺伝子の候補となる核酸塩基 5 種すべてを含む 18 種類の核酸塩基類の網羅的な検出に世界で初めて成功したという。
冥王代の地球には隕石などの地球外物質が現代よりも多く供給されており、これに伴って地球外から供給された大量の塩基対が地球最初期の生命における遺伝的機能の発現に貢献したと考えられるとのこと。はやぶさ2 や OSIRIS-REx が持ち帰る小惑星サンプルからの検出も期待される。
なお、論文では地球上での汚染の可能性について分析しているが、核酸塩基が地球外のものであるという説得力のあるデータが示されていないとの批判もみられる。
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