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ロシアのデフォルト危機、その影響は?
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●ロシアのデフォルト危機
ロシア軍のウクライナ侵攻を受けた西側諸国による経済制裁で、ロシア国債のデフォルトの可能性が高まっている。
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3月31日のドル建て国債は支払いが履行され、制裁実施以降4回目のドル建て国債の利払いは完了。デフォルトは免れた。
4月4日にも償還期限を迎えていたが、ロシア通貨ルーブルで大半を前倒し償還している。
ロイター通信によると、米財務省は4日、米国金融機関からの米ドルでの支払いを認めないとしており、30日間の猶予期間内にドルでの支払いがなければデフォルトとなる。
だが外貨準備口座が凍結されており、ルーブルも暴落している状況を考えれば、根本的な解決策はなく、綱渡りには変わりがない。
デフォルトとなれば、どのようなことが考えられるのか?
●デフォルトとは?過去の例は?
国債のデフォルトは、国債の元本や利子の支払いができなくなる状態のことである。借金の返済ができないということは、信用を無くし、外貨の調達が困難となる。
過去には、アルゼンチン、ギリシャ、レバノンなどがデフォルトとなっており、ロシアも1998年にアジア通貨危機のあおりで、デフォルトを経験している。
デフォルトになると、資金の引き上げや国の資産差し押さえが起きると考えられる。
IMFの支援を受けることになれば、公共工事や社会保障の削減など厳しい財政削減が行われる。制裁を受けているロシアでは、IMFの支援を受けることも困難と思われる。
●考えられる影響
今回の償還を乗り切っても、5月27日にも償還があり、ドルで償還できずにルーブルでしか支払いができなければ、事実上のデフォルトとなる。GDP世界11位の大国がデフォルトとなるのは、極めて異例だ。
気になる世界経済への影響だが、1998年のデフォルト時にはヘッジファンドの破綻もあったが、今回はロシア国債を保有している投資家は少なく、そのようなリスクは低い。
だがデフォルトに陥った団体との取引を禁止している欧州企業は多く、天然ガス関連のインフラ事業に大きな影響を及ぼすことも考えられる。
最も被害を受けるのはロシア国民かもしれないが、市場としては様々な思惑で一時的な大きな混乱に陥る可能性が高く、警戒が必要である。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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