南海電鉄、堺市の泉ケ丘駅に複合施設着工へ 泉北ニュータウン復活に駅前を拠点化

2022年3月9日 08:06

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複合施設の開業イメージ(南海電気鉄道発表資料より)

複合施設の開業イメージ(南海電気鉄道発表資料より)[写真拡大]

 南海電気鉄道は4月、泉北ニュータウン内の泉北高速鉄道泉ケ丘駅(堺市南区竹城台)に隣接して、商業・医療施設やオフィスが入る複合施設建設に着手する。人口減少と住民の高齢化が進む泉北ニュータウンの活性化を図るとともに、泉ケ丘駅前を沿線の中核拠点に育てることが狙いで、複合施設は2025年10月の開業を予定している。

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 複合施設は地下1階、地上4階建て延べ約1万6,000平方メートル。商業・金融施設やオフィス、医療施設などが入居する。2階には大規模な広場を設けて駅前ロータリーデッキの2階にある堺市のくすのき広場と一体化、地域住民や買い物客らの憩いの場を設ける。

 さらに、若い世代の雇用の場や子育て支援施設の誘致を進め、泉北ニュータウンの人口減少、高齢化対策にする。複合施設の建設予定地が泉ケ丘駅と移転予定の近畿大学医学部、付属病院の中間に位置することから、バリアフリー化した歩行者空間を堺市とともに整備する。

 泉北ニュータウンは、大阪府が堺市と和泉市にまたがる泉北丘陵1,500ヘクタール以上を開発して1967年に街開きした。当初の計画人口18万人で、西日本最大級の規模を誇るが、人口は1992年の16万5,000人をピークに減少に入り、12万人を下回っている。同時に住民の高齢化と商店の閉店が進み、生活物資の購入を移動販売に頼る買い物難民が増えている。

 南海電鉄や堺市はこれまで、南海電鉄グループの泉北高速鉄道で大阪市中央区の南海なんば駅まで約30分という近さを生かし、ベッドタウンとしての活性化に力を入れてきた。だが近畿大学医学部の移転など新たな動きが出てきたことも考慮し、駅前に就労の場を誘致して沿線の拠点とする方針を打ち出している。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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