日産、通期予想を上方修正 3年ぶりの最終黒字見込む

2021年7月29日 17:10

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■売上高は24%増、最終利益は600億円と上方修正

 日産自動車(7201)は28日、22年3月期第1四半期の連結決算を発表。また、合わせて通期の業績予想を上方修正した。通期予測では、売上高が前回発表の9兆1000億円(前期比15.7%増)より7.1%増の9兆7500億円(同24%増)、営業利益はゼロ円予想(前期は1507億円の赤字)から1500億円の黒字、最終利益は600億円の赤字予想(前期は4487億円の赤字)から600億円の黒字と、3期ぶりの最終黒字を見込む。

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 第1四半期決算は、売上高が前年同期比71.0%増の2兆82億円、営業利益は757億円(前年同期は1539億円の赤字)、純利益は1145億円(前年同期は2856億円の赤字)と業績を急回復させた。足元の状況が良好であることから上方修正を行なった模様。

■「Nissan NEXT」の進捗が良好に推移

 21年3月期の最終損益は、傘下の三菱自動車と合わせると約1兆300億円の赤字となり、国内製造業では過去最大規模の最終赤字を計上することとなった。そんな中、日産は事業構造改革のために「Nissan NEXT」と題し、大規模な構造改革に着手している。

 具体的には、これまで生産規模拡大を行なってきた戦略を見直し、年間生産能力を2018年度の720万台から2022年度には540万台へ引き下げ、一部工場の閉鎖を決めた。車種は20%削減。グローバルで競争力がある車種に絞り込み、魅力ある新車のリリースを行なう。また、固定費削減によって、収益性の向上に取り組んでいる。

 その結果、最適な固定費の損益分岐点台数は、19年3月期の約500万台から約440万台へ下がり、一方1台あたり売上高は16%程度向上(19年3月期比較)となっており、収益性の改善が着実ながら進んでいると言える。

■新型車の受注が良好、低迷期からの脱出か

 改革の影響を受けたことに、市況の改善が起きてきたこともあり、1Qの販売台数は前年同期に比べ63%向上。日本を除く中国・北米・欧州がいずれも70%前後の販売台数増加となっている。米国ではSUV「ローグ」、中国ではセダン「シルフィ」といったコアモデルのシェアが拡大。日本では、小型車「ノート」の売れ行きが好調で、発売を控えている新車「アリア」や、米国・インフィニティ「QX55」の足元受注台数も良好だ。

 今回の業績予想の上方修正には、構造改革による収益性改善に加えて、為替の前提レートの円安改定も寄与している。(記事:拓蔵・記事一覧を見る

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