NY株式:NYダウ259ドル安、景気回復に懐疑的見方が浮上

2021年7月9日 07:00

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記事提供元:フィスコ


*07:00JST NY株式:NYダウ259ドル安、景気回復に懐疑的見方が浮上
米国株式市場は反落。ダウ平均は259.86ドル安の34421.93ドル、ナスダックは105.27ポイント安の14559.79で取引を終了した。東京で4回目の緊急事態宣言が発動され、五輪5者協議で都内の会場すべて「無観客」が決定されたとの報道をきっかけに新型コロナウイルス変異株流行が世界経済の回復を妨げるとの懸念が強まり、寄り付き後、下落。新規失業保険申請件数も予想外に増加したため、景気回復に懐疑的見方が広がり、終日軟調に推移した。史上最高値付近での利益確定売りにハイテク株も下落。セクター別では、運輸・保険が下落した一方で、小売りが上昇した。

航空機メーカーのボーイング(BA)は737マックス機を巡り中国政府が試験飛行に前向きな意向を見せたとの報道を受け、正式な飛行再開への期待に上昇。医薬品メーカーのバイオジェン(BIIB)はエーザイと共同開発したアルツハイマー病の新治療薬「アデュカヌマブ」について、軽度の認知機能障害または軽度認知症の段階にある患者に使用を限定すると発表したにも関わらず、買われた。高級ブランドを扱う中古品販売プラットフォームのリアルリアル(REAL)やオンライン小売りのエッツィ(ETSY)はそれぞれアナリストの投資判断引き上げで上昇。一方、銀行のJPモルガン(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)は長期金利の低下で業績回復が滞るとの懸念に、下落。ウェルズファーゴ(WFC)は個人向け与信枠の提供を廃止すると発表し、下落した。鉄道関連のカンザスシティー・サザン(KSU)、ユニオンパシフィック(UNP)、CSX(CSX)などは、バイデン大統領が鉄道や海上輸送のコストを抑制する大統領令に署名するとの報道を受けて、軒並み下落した。

引け後に、衣料品メーカーのリーバイ・ストラウス(LEVI)が第2四半期決算を発表。内容が予想を上回ったほか下半期の業績見通しを引き上げたため、時間外取引で、株価は上昇している。

Horiko Capital Management LLC《FA》

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