インフレ懸念が株式市場のボトルネック!?

2021年5月14日 08:32

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●インフレ懸念で米国市場が下落

 米国株式市場は、4月のCPI(消費者物価指数)が前年比4.2%増で12年半ぶりの大幅上昇となったことを受けて、12日に大幅下落した。

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 好調だったGAFAなどのハイテク株も売られ、インフレによる早期利上げ観測への警戒感でネガティブサプライズとなった。

 インフレになることはある程度織り込み済みだったはずだが、果たしてこのまま下落基調が続くのか?

●CPIと株価の関係

 米国のCPIは米労働省労働統計局(BLS)が毎月15日前後に発表しており、米国のインフレを測る最も重要な経済指標とされている。

 米国のCPIは、食料や生活必需品から医療やエンターテインメントの価格設定まで幅広いカテゴリーで反映されている。

 景気回復の初期段階であれば、需要の拡大が見込まれて、企業の決算にも好影響し、好感される。株式市場では、急激なインフレは、金融緩和期にはテーパリングが警戒され、政策金利の上昇も意識されると株は売られやすくなる。

●FRBはどう動く?

 CPIは良かったが、一方で雇用統計は予想を下回った。失業率はほぼ予想通りだったが、非農業部門の雇用者数が+26.6万人となり予想(約98万人)を大きく下回っていた。

 雇用統計の悪化は、株価にとっては緩和期待から好材料だが、単に給付金の充実によって労働意欲が低下しているだけとの指摘もあり、必ずしも景気の回復の遅れを意味するものではない。

 市場では、雇用統計の悪化よりも、バイデン政権による積極的な財政支出による過剰需要への懸念もある。

 FRBのクラリダ副議長は「インフレ抑制も躊躇しない」と述べる一方で、インフレを一時的なものと楽観視もしている。

 今回の下落は、市場がインフレを一時的なものととらえていないとの見方が強く、木材相場の上昇と鉄鉱石価格の上昇もインフレが意識される要因となっている。

 木材相場の上昇がカナダドル高、BOCのテーパリングに繋がったと見る向きもあり、米ドルと米国長期金利も上昇したことを考えれば、米国もテーパリングとその先の利上げが意識され、株式市場もCPIに対し神経質にならざるを得ないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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