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中国の景気回復が世界に与える影響

2020年11月3日 08:36

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●中国経済が回復基調

 新型コロナウイルスの感染が世界中で収まらず、経済の回復も遅れている中、震源地だったはずの中国が回復の傾向を見せている。

 10月のPMI(購買担当者景気指数)が、8カ月連続で景気の上向きを示す50を上回り、コロナ後の順調な景気回復を裏付けている。

 世界で最も早く新型コロナウイルスの感染が拡大し、ロックダウンをしたが、最も早く景気回復をしている。

●正念場だった中国経済

 1980年頃から経済開放政策を進め、豊富な資源や安い人件費を背景に外国の工場や資本を受け入れて、いつしか21世紀の世界の工場を担っていた中国。

 だが社会主義市場経済の限界と労働コストの上昇によって、その役割も東南アジアなどの周辺国に移っていった。

 さらに2017年のトランプ大統領の就任以降、米中双方で輸入関税の引き上げの応酬を繰り返し、米中貿易戦争を繰り広げた。

 2018年途中までは、駆け込み需要などにも助けられていた部分もあったが、2019年からはその影響が顕著となり、PMIや工業生産も減速傾向が顕著となっていた。2019年の経済(GDP)成長率は29年ぶりの低水準の6.1%に落ち込む。

 新型コロナウイルスが武漢で猛威をふるった時期には、中国経済が崩壊するのではと予想するエコノミストや専門家も多かった。

●回復は信用できるのか?他国への影響は

 中国の経済指標は信用できないとよく言われるが、中国とかかわる他国への影響はごまかせない。

 中国が最大の貿易国である日本も、中国経済が好調であれば、自動車部品や家電部品、半導体製造装置などの企業が恩恵を受ける。

 日本の周辺国である台湾や韓国も同様である。

 「中国経済の回復がドイツに恩恵をもたらしている」と、9月16日にDIHK(ドイツ商工会議所)の対外貿易部門の責任者が発言したと報じられたが、輸出依存度の高いドイツも感染が再拡大する中、頼みの綱となっている。

 少子高齢化がこれから進むとはいえ、14億人の人口の需要は魅力である。

 だが大統領選挙の結果次第の米国や、中国との関係が悪化しているオーストラリアなど、新型コロナウイルスをきっかけに中国をリスクと認識し、中国離れが加速する国もあるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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