全米自動車労組がビッグスリーに2週間の生産停止を要求 新型コロナ対策で

2020年3月19日 06:55

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新型コロナウイルス対策をめぐり、米自動車メーカーと労働組合の足並みが乱れている。写真はGM本社。(c) 123rf

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 全米自動車労働組合(UAW)は17日(現地時間、以下同)、新型コロナウイルスの影響を受け、今後2週間の生産活動停止をGM、FCA(フィアット・クライスラー)、フォードモーターの「ビッグスリー」に対して求めたことを発表した。しかしメーカー側は生産停止に合意する構えを見せていない。

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 新型コロナウイルスによる自粛ムードが全世界に蔓延するなか、米国の自動車産業にも大きな影響が及んでいる。それを受けビッグスリーとUAWは15日、共同体制で新型コロナウイルス対策の特別チームを組んだ。しかし現在は操業継続にこだわるメーカー側と従業員の健康のために自粛を主張するUAW側で、対立が起きている。

 17日にビッグスリーは、UAWと約15万人の工場従業員を新型肺炎の感染から守るため、自動車生産の規模縮小や、工場勤務の従業員数に上限を求めるなどの条件で合意していた。3大メーカー側としては、一定の対策は施すものの、生産活動は続行というスタンスである。

 合意内容によると今回のウイルス対策として、生産施設の輪番停止や工場内などの徹底した清掃、従業員同士の接触回避への配慮などが挙がっている。そのため、事務職やデザインなどパソコンを使った作業がメインの社員には在宅勤務を認めているものの、自動車の製造に関わる工場従業員には引き続き出勤を求めている状況だ。

 UAWのロリー・ギャンブル代表は、米3大メーカーの工場における2週間の生産停止が適切と主張しており、これが受け入れられなければ組合側として行動を起こす考えも示している。新型コロナウイルスの世界的な流行により、各国の自動車産業でも大きな影響が出ている。しかし米国ではウイルス対策への考え方の違いから、労働者の権利と経済活動の狭間をめぐる対立も本格化しており、問題の深刻化も考えられる。

 屋内である工場で集団感染が発生すれば、従業員だけでなく外部への影響も懸念されるが、操業停止などの大規模な経済活動停止は、メーカー側の大きな損失につながるおそれがあることも事実。新型コロナウイルス対策をめぐる答えが見えない状況が続いている。

関連キーワードGeneral Motors(GM)フォードクライスラー在宅勤務FCA新型コロナウイルス

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