スズキなどが開発する「マイルドハイブリッド」は「ハイブリッド」とどう違う?

2020年1月27日 13:39

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マイルドハイブリッド搭載のスズキ・ハスラー(画像: スズキ発表資料より)

マイルドハイブリッド搭載のスズキ・ハスラー(画像: スズキ発表資料より)[写真拡大]

 近年、スズキの自動車を中心に「マイルドハイブリッド」車が市場を盛り上げている。しかし通常のハイブリッドと何が違うのかわからない人もいるだろう。今回は2つのタイプを比較し、マイルドハイブリッドを新車に採用するメリットを考察する。

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 一般的なハイブリッドは駆動用モーターでエンジンをアシストし、車からパワフルな走行性能を引き出す。電動モーターを使うことで、ハイパフォーマンスながら二酸化炭素の排出量も減らし、環境にやさしい走りもできる。

ドライバーがモードを変更すれば、車はモーターだけでも通常どおりに走れる。エコであるだけでなく、状況に合わせて便利に車を使いこなせるのがハイブリッドの魅力だ。

採用車種もトヨタ・プリウスに代表されるセダンから、コンパクトカー、SUV、ミニバン、クーペと幅広い。近年はマイルドハイブリッドの台頭により「ストロングハイブリッド」とも呼ぶ。

 一方でマイルドハイブリッドにも電動モーターはあるが、あくまでもエンジンのアシスト役にとどまることが多い。該当モデルの多くはモーターがメインのEV走行を行わないしくみだ。ハイブリッド技術を支える電動モーターやバッテリーなどの規模が小さいからである。

 これらのサイズが大きいとしくみも複雑化し、製作コストや車両価格の高騰、車両の重量化などにつながり、かえって不便な車になる恐れもある。そこでメーカーは、ハイブリッドをエンジンのアシスト役と割り切りコンパクトサイズにとどめることで、軽量のハイブリッド車を安価で提供できるようになる。

 以上から、軽さがウリの軽自動車やコンパクトカーへの採用例が多い。ハイブリッドの要素を限定したものの、ガソリンエンジンよりは燃費に優れて経済的なため、高い需要も期待できる。そのため今、マイルドハイブリッドが魅力的な選択肢の一つとなっている。

 マイルドハイブリッド車の開発はスズキがリードしている。ソリオ、ワゴンRの各シリーズやハスラーなど、多くのモデルが小型のハイブリッドエンジンを味方に活躍中だ。

 最近はスバルも「e-BOXER」、マツダも「M HYBRID」の名前で搭載モデルをヒットさせるなど、後を追うメーカーも増えている。環境保全が重要な今だからこそ、マイルドハイブリッドという新たな車のあり方についても、考えてみてはどうだろうか。

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