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ディスコ、19年4~12月期の営業利益は257億円 通期予想は軟調も需要改善へ
■20年3月期予想は売上高1,353億円、純利益は246億円
半導体向けのシリコンウエハー加工機器シェアで世界トップのディスコ(6146)は、23日大引け後に20年3月期第3四半期の連結累計決算を発表した。売上高は1,022億9,800万円、営業利益は256億6,900万円、経常利益は270億1,800万円、純利益は193億7,800万円だった。
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併せて、未開示だった20年3月期通期連結業績予想も発表。売上高は1,353億円、営業利益は325億円、経常利益は342億円、純利益は246億円とした。今期より「収益認識会計基準」に移行しているため、前期業績との単純比較はできないが、前期に比べると通期予想ベースで、売上高は8.3%減、営業利益は15.9%減、経常利益は12.2%減、純利益は14.7%減と減収減益となる模様。
■20年下期より半導体向け需要が回復傾向に
半導体製造に使われる材料である「シリコンウエハー」の切断および研削を行うための精密加工装置を製造しているディスコ。特に切断のためのダイシングソーでは世界シェア8割を獲得しており、世界を代表する半導体製造装置メーカーである。
昨今の米中貿易摩擦の影響で、半導体向けの設備投資を見送る動きも見られたが、下期からは再開の動きを見せている。
製造機械の販売はもちろんのこと、ウエハー研磨や切断に使われる既存機械における消耗品販売が堅調に推移しており、ディスコに対する需要は回復傾向にあると言える。また、21年4月より強制適用となる「収益認識基準」を前倒しで導入しており、売上高の計上タイミングを「出荷時」から「顧客が受領したタイミング」に変更した。単純に前期比較はできないが、3Qのみで見てみると前年同期比で増収増益となっている。
■20年3月期4Qの出荷額は前年同期比24%増
業績予想と併せて配当予想が出されており、期末配当予想は前期の1株208円を上回る320円とすることを発表。株主還元をしつつも企業成長に向けて引き続き努力する姿勢だ。実際1月~3月の4Q出荷予想額は412億円を見込んでおり、前年同期の332億円を24%上回り好調な予想を出している。
想定為替レートも1米ドル100円、1ユーロ115円と円高に見積もっており、現状の業績予想から上振れる可能性は十分にある。昨今では携帯電話新規格「5G」に向けた半導体製造需要や、引き続き電気自動車向け半導体需要が旺盛であり、世界シェアトップ製品を有するディスコへの追い風は静かながらも吹いているようだ。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)
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