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(画像: ジャガー・ランドローバーの発表資料より)[写真拡大]
7月5日、ジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover)は、上級モデルジャガーXJ(Jaguar XJ)の内燃機関(エンジン)型の生産を終了し、EVとすることを発表した。2017年秋の発表でも、2020年から展開する車種は全て電動モデルとしていく計画であると発表していた。それはつまり、「BEV(純電動車)、PHV(プラグインハイブリッド車)、マイルドハイブリッド車」にしていくことだ。
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すべての車種をBEVとするわけではないようだが、ジャガーの最高級車であるXJをBEVとすることが決まったようである。それは、先ごろ発売したジャガー・I-PACEの成功によるところが大なのであろう。
■ジャガー・I-PACEの成功がXJを変える
2018年9月発表されたジャガー・I-PACEはSUVスタイルのBEVで、そのショートノーズのエクステリアが、ジャガー伝統のロングノーズを覆しているにもかかわらず好評だ。それだけでなく、インテリア、性能とも大成功と言えるかもしれない。
そのI-PACEのパワーユニットをそのまま使用して、ジャガーの旗艦車種であるXJを造ろうというのであろうか?かつてのXJのようなロングノーズのプロポーションに、12気筒エンジンを収めたスタイリングが高級車のシンボルであった時代の終焉かもしれない。
ジャガーのEV第1弾「I-PACE」のパワートレインは、4WDで前後アクスルに電気モーターを搭載している。システム合計400ps/71kgmだ。0~100km/h加速は4.8秒で、スポーツカー並みの加速パフォーマンスを見せる。
従来型90kWhリチウムイオンバッテリーを搭載し、充電時間を短縮する大容量DC100kWの急速チャージャーで、バッテリー全容量の80%を40分ほどで充電できる。必要最小限の100km走行分であれば、15分ほどで充電完了する。
これでようやくBEV(純電動車)の実用性確保をしている。まだまだBEVが実用に問題がある時期ではあるが、ジャガーXJと言う伝統の高級車ブランドが、BEVを商品価値の先頭に値するブランドとして認めてきたことが新鮮だ。
これはもしかしたら、前金を取って大量の受注残を抱えたテスラの成功が、「BEVを高級ブランド化」した引き金と言ってよいのかもしれない。「金持ちだから、いつ完成するか分からなくても前金を払う」とすることで、ステイタスとなったといえる。
しかし間もなく、BEVをブランドとする見方は消え、通常の自動車全体の中での1パワーユニットとしての認識に替わるだろうが、「シティーカー」のような高級ブランドを損ねる存在とはならないのであろう。よって、次期型ジャガーXJのBEVは、このパワーユニットを基本とするものと考えられる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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