舞台は箱根駅伝! 10人がつなぐ絆の物語「 風が強く吹いている 」が泣ける!

2019年6月17日 12:03

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記事提供元:あにぶ

舞台は箱根駅伝! 10人がつなぐ絆の物語「 風が強く吹いている 」が泣ける!

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 2018年10月から19年3月まで、現実の箱根駅伝を挟んで2クールで放送されたアニメ「 風が強く吹いている 」。陸上未経験者がほとんどの学生10人がチームとなり、大学陸上界の最高峰・箱根駅伝に挑戦するというお話です。

 原作は三浦しをん先生による人気小説で過去に映画化などもされているため、作品名だけは知っているという方もいるかもしれません。今回は実写版とはまた違う、アニメ版「風が強く吹いている」の魅力をお伝えしたいと思います。

このページの目次
1 ゆっくりと積み重ねていくキャラクターの心理描写が泣ける!2 たった10人で箱根を目指す! キャラクターの魅力とは?3 走ることの意味を問う、ふかーいテーマ性も魅力!4 見ているとなぜだか無性に走りたくなる、そんなアニメです

■ゆっくりと積み重ねていくキャラクターの心理描写が泣ける!


舞台は箱根駅伝! 10人がつなぐ絆の物語「 風が強く吹いている 」が泣ける!

画像引用元:© 三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会

 ある日夜道を走っていた主人公・走(かける)を後ろから自転車で追いかけてきたのは、同じ大学の4年生・清瀬ハイジ。そんな出会いからハイジの勧めで走が入寮したのが、寛政(かんせい)大学陸上競技部の寮・竹青荘でした。そこには陸上経験がほとんどない学生が住んでおり、走を合わせて寮生は10人になりました。そして寮生みんなを集めてハイジが宣言したのは、この10人で箱根駅伝を目指すという突飛で無謀な挑戦でした。

 「風が強く吹いている」は人気作家・三浦しをん先生による小説が原作で、アニメ版も基本的に原作に沿って描かれているため、ストーリーの骨組みがしっかりしています。さらに今回のアニメは2クールのため、物語が駆け足にならずゆっくりと時間をかけてキャラクターの成長を感じられるのも大きな特徴です。素人集団が箱根に挑戦するなんて突拍子のない話に思えますが、物語が進むにつれてそれが次第に現実感を帯びていく展開が魅力です。

 またアニメ版では小説のアレンジや構成がよく出来ていると思います。例えばメンバーが箱根駅伝の予選会出場に必要な公認記録を切るために頑張るシーンがあります。原作ではこのあたりの描写は割とサクッと進むのですが、アニメでは各キャラクターにスポットを当てながら丁寧に描いています。

 特に10人のなかで最もタイムの遅い「王子」は、みんなが次々と記録をクリアしていくなか最後まで記録を切ることができません。しかしみんなが一体になって「王子」を応援するシーンはうるっときます。こうした丁寧な心理描写の積み重ねが、その後の展開への説得力にも繋がっていくように感じます。

 特に駅伝のような長距離競技は練習風景も大会の様子も、他のスポーツものアニメに比べてやや地味になりがちな面はあると思います。しかしそこは三浦さんの原作力とアニメ版脚本の魅力のおかげで、視聴者を飽きさせない展開になっています。気になった方は是非原作も手に取って比較しながら見てらえるともっと楽しめると思いますよ。

■たった10人で箱根を目指す! キャラクターの魅力とは?


舞台は箱根駅伝! 10人がつなぐ絆の物語「 風が強く吹いている 」が泣ける!

画像引用元:© 三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会

 本作には主人公の走(かける)をはじめ箱根駅伝を目指す10人のキャラクターが登場します。10人もいるので顔と名前を覚えられないのでは?と不安になる人もいるかもしれませんが、みんな個性的なあだ名があるので、すぐに区別がつくようになると思います。

 例えば留年を重ねているメンバー最年長のニコチャン(本名:平田彰宏)は、重度のヘビースモーカーでありタバコのニコチンがあだ名の由来です。また王子(本名:柏崎茜)はその美しい顔立ちからといったような具合です。実際みんないつもあだ名で呼び合っているので、逆に本名を忘れがちという不思議な状況になったりします。

 各キャラの抱えている過去や陸上への思いも大きなポイントです。走は高校時代に有力選手として将来を期待されていましたが、とある出来事がきっかけで部を退部します。大学進学後も一人で走ってはいますが、みんなで走ることに消極的な様子。

 またハイジも陸上経験者で走も認める実力者ですが、自分の過去をあまり語りません。今も完治していない足のケガがどうやら関係しているようなのですが・・・。そうした過去と自分自身が向き合い、時に仲間と支え合いながら、みんなで箱根を目指す姿が青春だなあと思います。

 その他のキャラクターもみんなバックグラウンドや性格は様々です。特に彼らの隠された内面が少しずつ明らかになっていく終盤の展開は、涙なしでは見られません。またキャラ同士特に仲のよい組み合わせがあり、その関係性や心理的距離感もとても上手に描かれています。徐々に距離が縮まったりすれ違ったりする展開が見どころです。

 セリフだけでなく画でキャラクターの心境を描いているのも、この作品ならではだと思います。最終的には10人全員を応援したくなること間違いなしですよ!

■走ることの意味を問う、ふかーいテーマ性も魅力!


舞台は箱根駅伝! 10人がつなぐ絆の物語「 風が強く吹いている 」が泣ける!

画像引用元:© 三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会

 この作品が他のスポーツ作品と違うのは、単に箱根駅伝に出るぞ!という目標をたててそれを達成できてよかったね!という単純なお話ではないところです。

 作中には走の高校時代のチームメイトが所属する大学や、箱根駅伝連覇中の強豪校の選手も登場するのですが、彼らを倒して一番になるぞ!というのがこの物語の最終目標ではない気がします。本作はあくまでも箱根駅伝への挑戦や走るという行為を通して、キャラクターの成長や内面を掘り下げることを重視した内容になっています。

 特に印象的なのは、箱根駅伝出場の発起人・ハイジが「走るとは何なのか」を自分や走に問うシーンです。ハイジにもまだその答えが分からず、その答えを知るために今も走っているのです。また箱根駅伝の「頂点と頂上」は違うという台詞もあって、こちらも考えさせられる言葉です。本作ではキャラクター一人一人に叶えたい目標やゴール地点があって、それは同じ箱根駅伝という舞台でもそれぞれ違います。

 ちなみに原作に「駅伝」は個人競技と団体競技の中間にある競技である、という描写があります。個人的に駅伝という競技をすごく分かりやすく表現しているなと思います。みんなで襷を繋いでゴールを目指すのは確かにチームプレイ、でも実際に区間を走っているのは一人だけ。だけど一人で走っているときも一人だけど一人じゃない、それが駅伝という競技にしかない魅力なのかなと思います。

 果たして走たちは箱根駅伝に出場し、目指す頂に辿り着けるのか?ハイジは「走るとは何なのか」という答えを知ることができるのか?最後まで目が離せない展開に注目です。

■見ているとなぜだか無性に走りたくなる、そんなアニメです


画像引用元:© 三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会

 この作品を見ているとなんだか体がむずむずしてきて、急に走りたくなります。筆者もこの作品を見てから実際にジョギングを始めました(体力不足のためウォーキングみたいになってますが・・・)。運動不足の筆者にはいいきっかけになりました。

 みなさんもこのアニメを見ていると、なんだか無性に走りたいなあ、走って風を感じたいなあという気持ちになるはずです。向かい風もどこか気持ちよく感じられるような爽やかな青春が、この作品にはありますよ。

 アニメ「 聲の形 」心の声が聞きたくて。この感動をあなたに伝えたい!

(あにぶ編集部/ふきのとう)

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