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マツダ3国内販売開始 「M‐Hybrid」は24V SKYACTIV-Xエンジンはお預け(下)
マツダ3(画像: マツダの発表資料より)[写真拡大]
■「スカイアクティブX」と「Mハイブリッド」の組み合わせ
注目は、「スカイアクティブX」と「M‐Hybrid」と呼ばれるマイルドハイブリッドが組み合わせられることだ。モーターアシストにより低速トルクが強くなり、より燃費、低速走行能力向上が期待されている。また24Vシステムとなっている。ベンツなど欧州勢の48Vシステムとも違ったあり方を模索しているようだ。
【前回は】マツダ3国内販売開始 「M‐Hybrid」は24V SKYACTIV-Xエンジンはお預け(上)
ベルト駆動のスタータージェネレーター(B-ISG)で回生ブレーキとなり、エネルギーをリチウムイオンバッテリーに蓄える。この発電エネルギーや、エンジンでの発電がモーターを駆動し、低速での使いやすさや燃費向上に役立っている。
SKYACTIV-G 2.0ガソリンエンジン仕様は、マイルドハイブリッドの効果も含めて、EDC計測による欧州複合モード燃費19.6km/リットル、CO2排出量115g/kmを実現している。
マツダは「油田から走行まで」のスローガンを掲げ、ガソリンエンジンの熱効率向上がEVよりもCO2排出量の削減に役立つものとして開発を続けている。しかしここにきて、マイルドハイブリッドではあるが電動化に乗り出しているように見える。だが本当の狙いは、電動化にある訳ではない。
自動車全体のエネルギー効率を上げるために、「回生」ブレーキはなければならないものだ。しかしそれを受け止めるには、EVやHVでなくともマイルドハイブリッドでもよい。マツダが目指すガソリンエンジンの熱効率を上げるにしても、惰性で動く運動エネルギーを蓄えねば、エネルギー効率が上がらないのだ。
■コストで有利な24Vシステム
「M‐Hybrid」は24Vシステムだが、リチウムイオン電池を使用するようだ。HV、EVなどで使用されるリチウムイオン電池によるシステムは、通常100V程度の高電圧を使い、電流が大きくならないようにしている。しかし高電圧システムであると、絶縁などの装備が大掛かりとなり、安全装置も厳重でボディアースは使えない。そのためコストがかかり、不利になってしまう。
そこでベンツなどドイツのメーカーは、48V電源を用いて簡素な配線システムとし、電動ターボチャージャー、ハイブリッドモーターなど12Vでは対応しにくい装備を駆動している。
マツダ3の「M‐Hybrid」は24V電源で済ませることが出来るようで、これで「回生ブレーキ」などのシステムの装備を可能にすることで、車両全体の効率を上げられる。マイルドハイブリッドはエンジンの熱効率を上げる試みと共に、ガソリンエンジン車としても、熱効率向上には必須の装備と言える。
これにトヨタが解放した特許技術を合わせれば、現状の火力発電効率を超えるガソリンエンジン車の登場を期待できるのかもしれない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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