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車のパワーウィンドウ、子供の悲惨な事故が根絶できないなら外すべきか?
車のパワーウィンドウによる「挟まれ事故」が続いている。現代では、パワーウィンドウ装置は軽四輪でも付いているのが常識となり、扱いにも十分慣れていると言える状態でありながら事故が続いているのだ。しかし、これが事故の本質で、「品質保証」の本題だ。どれほど注意していても、どれほどマニュアルを会得していても、「うっかり」が起きるのだ。
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「挟まれ事故」の対策としては、消費者庁から「注意」を呼びかけるマニュアルのようなもの、自動車メーカーは「安全装置を付ける」などの対策が進められてきた。しかし、事故を根絶することはできていない。これは自動車メーカーが、近年繰り返す不良の根絶が出来ない問題と関連がある。つまり、マニュアル作成・教育などを行うのが品質管理と考えている専門家が増えていることとの関連だ。
パワーウィンドウの事故は、主に子供の事故が多いようだが、これは当然に、「子供は注意が出来ない」ために起こることだ。幼い子供たちに対する日常的な注意は大人たちがしているのだが、人間のやることなので「うっかり」が起きるのだ。これをなくすには、「安全装置の装備を義務付け」たり、装置のメンテナンスを「法令定期点検」の内容に加えたり、「より精度の高い」装置に改善していくことが必要だ。
先日、ある起業家に「品質保証」の話をしたところ、「完全に防ぐことが出来ないので、考えても仕方がない」と言った内容の意見を受けた。これは困った認識である。「完全な品質」はありえないのだが、「事故は0に近づけるため、努力を続けるのが品質管理だ」と諭したのだが、その人物は納得しなかった。「万が一」のことを考えるのは「ムダ」と認識しているのだ。彼が特殊な人物だとしても、「東日本大震災」の「原発事故を防ぐ手立て」において「万が一」に対する備えが十分でなかったことが分かったはずなのに、なおかつ「万が一」に備えることを理解しない人物が多いのに驚かされる。車の品質を高めるのには、マニュアルや教育だけでは十分にできないのだ。
パワーウィンドウでの「挟まれ事故」が多くなるのであれば、装備しないことも考慮しなければならないが、利便性から見て安全装置で解決できるものと考えたい装置だ。そのためにも「人間の性」と正面から向き合う姿勢が必要なのだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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