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富士フイルム和光純薬、認知症治療薬などの創薬支援用iPS細胞由来分化細胞を発売
富士フイルム和光純薬は、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの神経疾患の治療薬開発に使える、創薬支援用iPS細胞由来分化細胞「アイセルミクログリア(iCell Microglia)」を1月下旬より発売する。アイセルミクログリアは、富士フイルムの米国子会社であるFUJIFILM Cellular Dynamics(以下、FCDI社)で開発されたものである。
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アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの多くの神経疾患は、いまだその発症原因が特定されていない。一方、脳や脊髄内にある免疫細胞のミクログリア細胞は、神経疾患発症時に神経細胞の周囲に集積するなど異常行動することがわかっている。そのため、ミクログリア細胞が神経疾患用治療薬開発のスクリーニングなどに使えるものと、期待されていた。そこで、FCDI社では、ミクログリア細胞に分化誘導したiPS細胞由来分化細胞で、ヒトの生体内中枢神経に近い環境で創薬の評価試験が出来る、アイセルミクログリアを開発した。ミクログリア細胞は、傷ついた神経細胞の再生を促したり、脳内に沈着したアミロイドβを貪食する免疫細胞である。
FCDI社では昨年1月に、iPS細胞をミクログリア細胞へ分化誘導する技術を保有しているカリフォルニア大学アーバイン校に対し、独占ライセンス契約を締結するとともに、生産体制を構築して、安定生産の準備を進め、今回の量産供給に繋げた。
FCDI社では、加齢黄斑変性や網膜色素変性、パーキンソン病、心疾患などの疾病を対象とした再生医療用薬剤を開発するとともに、iPS細胞由来の心筋細胞や肝臓細胞など、約20種類の創薬支援用iPS細胞由来分化細胞を創薬試験用にグローバルで販売している。今後、FCDI社では、アイセルミクログリアを販売ラインアップに加えて、iPS細胞を用いた新薬開発支援をグローバルで進めていくという。
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