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日産の切り札はEV 「NISSAN LEAF NISMO RC」日産の世界戦略を体現するレーシング仕様
「NISSAN LEAF NISMO RC」は市販車とは全く違うが、EV技術をアピールする。2モーター4WD、120kW×2=240kW(177ps)の出力と640Nm(65.3kgf.m)のトルクを発揮する。NISMO(Nissan Motorsport)「日産モータースポーツ」の名の通りレース仕様だが、参加する実際のレースはほとんどなく、シンボルカーである。フォーミュラE参加の体制発表の席でお披露目されたものだ。
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「NISSAN LEAF NISMO RC」は、先代に比較して2倍以上の馬力とトルクを持ち、0-100km加速3.4秒の俊足を発揮する。これは「スーパーカー」の領域だ。エンジンではなかなか実現が難しいトルクを、最初から発揮できるのがEVの強みだ。一方、トヨタのル・マン参戦カーはHVであり、モーターアシストを受けていると、立ち上がりがガソリンカーとは比べ物にならない圧倒的な加速力を見せる。
市販のリーフ(LEAF)の場合、全力加速すると、FFのためタイヤがスリップして方向が定まらず、危険を感じるほどだ。そのためか 「NISSAN LEAF NISMO RC」は、前後2モーターで4WDとして、前後のトルクをコントロールする。モーターとインバーターは、市販リーフのものをそのまま使っているという。スタイリングも全高が30mm下がっているようで、レーシングカーそのもののデザインだ。大型のリアウイングを装備してダウンフォースは50%高められているという。この「NISSAN LEAF NISMO RC」は6台作られ、イベントなどに参加展示されて、日産のEV技術をアピールしていくことになる。
日産が、この12月から参戦する電気自動車レースのフォーミュラEには、今年からポルシェなども参加して本格的なレースとなって行くだろう。F1やル・マンなどのレースが、EVに対してどのように対処していくのかも見所だ。また、トヨタがEVの車種をいつ本格的に展開してくるのかが、これからの市場のポイントであろう。
現在のところ、バッテリー性能が進化しないと実用的なEVをどのメーカーも作れないようだが、ルノー・日産も新規バッテリー企業と契約したようで、日産も再びバッテリー開発に乗り出すことになるようだ。カルロス・ゴーン元会長が、バッテリー開発を売ってしまったのは残念だったが、再び挑戦していくようだ。
Responseによると、 “ルノー・日産・三菱アライアンスが出資しているベンチャーキャピタルファンドの「アライアンス・ベンチャーズ」が、『エネベート社』に出資し、高性能の「リチウムイオンバッテリー」を再び開発すると、11月13日公表した。”と報じている。
日産が新たに契約したバッテリー企業、エネベート社が持つ「HD-Energy Technology」は、ガソリン車の給油時間と同程度の時間で急速充電が可能とのことで、実用化されればEV実用化に弾みがつく。
中国市場がEVにひた走る以上、近いうちにEVは量産され値段も下がり、技術開発もさらに進むこととなろう。しかし、EVが地球温暖化防止に役立つか否かは発電方法にかかっており、中国で効率の低い石炭発電が続くかぎり全く意味がないか、むしろCO2排出量を増やしてしまうかもしれない。今後、中国は原子力発電に急速に進んでいくことが見えているが、今度は「神の火」をコントロールできるのかが、福島原発以上に身近な問題となろう。
電池技術は、これからの技術開発のキーポイントと考えられる。トヨタの全固体電池は、特許が解放されてバッテリーメーカーに生産委託されると、世界はEV時代となるかもしれない。
「NISSAN LEAF NISMO RC」は、そんな時代の到来を世界に告げて歩くこととなろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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