自転車ECサイト展開のエイチームの課題と強気の理由

2018年11月22日 21:11

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 自転車のECサイト「サイマ」を展開するエイチームの株価は目下、低迷状態。背景は明白。「50.7%増収、84.3%営業増益、99.6%最終増益」(2017年7月期)、「8.9%増収、15.3%営業増益、28.2%最終増益」(18年7月期)と高くなった下駄に対し、今期は「小幅減益」計画によるため。

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 だがEC事業は着実な増加傾向にある。前期の売上高は27.4%増の25億5000万円。過去最高。しかしフルフィルメント(受注管理・在庫管理にはじまり代金請求・決済処理まで事業展開のコアプロセス)強化や、TVコマーシャルなど広告宣伝費の継続で営業損失2億1000万円という状況。ただ林高生社長は前期の決算説明会で、「既存サービスとシナジーのある商材で、EC企業のM&Aも検討している」と積極的姿勢の維持を強調している。

 エイチームについては、「スマホゲームと比較情報サイトの運営が2本柱」(会社四季報・特色欄)と紹介される。比較情報サイトビジネスで代表的なのが「引っ越し」「中古自動車」「婚活」関連。引っ越し業者情報(価格や顧客満足度等)を知ることができ、「ここで」と決めたらサイトから申し込みが可能。「中古自動車売買」サイトも同様。また「婚活サイト」は展開をしてきた「結婚式場比較情報サイト」をベースに7月に、婚活サプリのECサイト「ミノリエ」を立ち上げている。

 アナリストの中には「見えづらい部分が否定できない」とする指摘がある。EC関連が「サイマ」に一括りにされているからだ。そのあたりは、今後の課題といえよう。

 ただエイチームは設立04年、株式公開12年。更に新たな商圏を拡大していく段階にある。先の「ミノリエ」もその一環だが、「葬儀社情報サイト」なども育成中。少子化時代、高齢化時代の葬儀の在り様の多様化など時代に即した商圏の育成は評価に値する。また中古車サイトをトヨタと協業で強化していこうという流れなども、妙味ある展開といえる。

 18年4月段階で自己資本比率約69%。利益剰余金は有利子負債の43倍強。好財務体質。スマホゲームの新作次第で業績動向に変化が起こるという体質もあるが、これまでは順調な推移を示している。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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