中国「独身の日」盛況、日系企業ではユニ・チャームやユニクロが善戦

2018年11月14日 11:54

印刷

(c) 123rf

(c) 123rf[写真拡大]

 中国では11日、年間最大のネット通販セール「独身の日」が盛況を見せた。EC最大手アリババは1日で過去最高取引額2,135億元(約3兆5,000億円)を記録、中国におけるネット通販の好況を示す1日となった。

 アリババの17年「独身の日」における取引額は前年比39%増の1,682億元。18年は前年比26%増と伸長率は鈍化したものの、アリババ以外のEC業者も好況を博し、今や「独身の日」は一大イベントセールとして中国に根付いているという。

 「独身の日」はアリババが09年より開始したセールとして今年で10回目。中国では「双11(ダブルイレブン)」と呼ばれ、10月の国慶節と12月のクリスマスの狭間にある11月の消費を盛り上げるために始まった。

 元々「独身の日」は、11月11日とシングルを意味する1が並ぶことから、1990年代前半から独身者がパーティーを開くなどで祝いあって始まったという。「双11」セールも、当初は独身者が自分へのご褒美を意味したセールとして普及したものの、現在はその意味合いだけにとどまらぬ「ネット通販の祭典」として、シンガポールやタイなどアジア周辺諸国にも波及しつつあるという。

 当日のアリババによる宅配件数は10億件超え、これは日本の年間宅配件数の4分の1の規模にあたる。商品は粉ミルクなどの「ベビー用品」や「健康食品」、「化粧品」など日用品が人気だという。

 アリババが発表した「輸入商品における国別売上金額ランキング」では、米国を抑えて日本がトップ、3位以下は、韓国、オーストラリア、ドイツと続いている。輸入ブランド別ではユニ・チャームのおむつ「ムーニー」が2位、アパレルブランド別ではユニクロが1位になるなど、日本からの輸入は今後さらに拡大する可能性があるという。

 ネット通販拡大の背景にはスマホの普及が大きい。国土の広い中国において、農村部でも世界中の商品を取り寄せることができ、電子決済で簡単に済ますことができるネット通販は利便性が高い。

 こうした影響を受けて、中国ではほんの十数年前まで隆盛を誇っていたフランス系スーパー「カルフール」や、老舗百貨店「新世界百貨」などは規模縮小を余儀なくされているという。一方で、アリババは実店舗との連携強化を表明、小売店舗の「倉庫化」と「配送」を組み合わせる新たな動きも出ている。ネット通販が膨張している中国、その動きは今後も注目である。

関連キーワード

関連記事