日銀のETF購入は株価を支えているか?~eワラントジャーナル(馬渕磨理子)

2018年1月10日 09:33

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記事提供元:フィスコ


*09:33JST 日銀のETF購入は株価を支えているか?~eワラントジャーナル(馬渕磨理子)
こんにちは、フィスコマーケットレポーター馬渕磨理子の「eワラントジャーナルの気になるレポート」です。

eワラント証券のコラムで「日銀のETF購入」について興味深い記事を見つけましたのでご紹介いたします。

市場関係者の間では「日中の前場の取引で株価が下落すると日銀が買い支えるから安心だ」と言われています。ただ、「効果はたかが知れているから日銀のETF購入は不要だ」と主張する一部のエコノミストがいるのも事実です。はたしてどちらの説が正しいのでしょうか?同コラムでは『日経平均株価の毎日の始値・安値・高値・終値のデータと、日銀が公表している過去のETF購入実績を突き合わせて統計的な検証』を行っています。

日本銀行(日銀)は世界の中央銀行のなかで唯一、金融緩和政策の一環として『株式ETFを2010年12月から今日までの過去7年間にわたって購入』しつづけています。同コラムによると『2017年11月末まで累計してみると、購入回数はなんと444回、購入金額は16.3兆円』にのぼり、『11月末時点で推計した保有するETFの時価総額は22.6兆円』になるようです。含み益が6.3兆円ある計算になり、日銀は株式投資で利益を出していることが分かります。

では、日銀の存在感が株式市場でどれほどの大きさを占めているかを確認してみましょう。『2011年1月から2017年11月までの約7年間で東証1部市場の売買高に対する日銀のETF買いのシェア』では、『年間売買高に占める日銀シェアは1%未満、1日平均売買高に対する日銀の1日平均ETF購入額のシェアも概して1~2%台』にすぎないと同コラムで分析しています。これは、『国債市場をほとんど支配する日銀の存在』に比べれば、『株式市場ではとるにたらない存在』であることから、『相場全体を左右する力があるとは思えない』と記述しています。

そこで、同コラムでは、日銀が株価を下支えしているという、典型的なストーリーの「確からしさ」を統計的に検証しています。使用するデータは『日銀がETF購入を開始した2010年12月から2017年11月まで7年間1718営業日の日経平均株価の始値、安値、高値および終値である。これを日銀がETFを購入した日のデータセットA(観察個数444個)としなかった日のデータセットB(同1,274個)に分けて、AとBの平均値に差があるかどうかを検定』しています。コラム内では詳しい仮説と検証について記述しています。


そのデータ分析によると『日銀が「株価を押し上げてきた」とか「株価を下支えしてきた」という巷説は、データを統計的に検証してみたかぎりこの説を裏付ける有力な証拠はない』と述べています。

なお、上記の記事の詳細は、eワラント証券が運営している「eワラントジャーナル」の1月4日付のコラム「日銀のETF購入は株価を支えているか?」にまとめられています。

馬渕磨理子の「気になるレポート」は各種レポートを馬渕磨理子の見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合がありますので、ご留意くださいませ。

フィスコマーケットレポーター 馬渕磨理子《DM》

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