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H2Oが今期業績を上方修正、インバウンド需要が後押し
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阪急、阪神の両百貨店などを経営するエイチ・ツー・オーリテイリングは10月31日、2018年3月期の連結経常利益を従来予想の201億円から231億円へ14.9%上方修正した。前年同期比6.3%の増加。訪日外国人観光客の伸びで大阪市の阪急うめだ本店をはじめ、百貨店事業が好調で推移し、通期予測では2年ぶりに過去最高益を更新する見込みとなった。
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決算短信によると、第2四半期累計(4~9月)の連結総売上高は前年同期比0.4%減の4,320億円。このうち、食品事業が5.7%減の1,938億700万円、その他事業が0.5%減の260億2,600万円と前年同期を下回ったものの、百貨店事業が4.8%増の2,064億8,700万円、不動産事業が20.0%増の56億7,800万円と好調を維持した。
経常利益は60億円と見積もられていたが、前年同期比63.9%増の83億9,300万円に拡大した。営業利益も前年同期比5.4%増の69億7,800万円。通期予想は売上高が1.5%増の9,150億円、営業利益が0.7%増の227億円としている。
業績の牽引役となった百貨店事業は7月に堺市の堺北花田阪急が閉店したものの、国内需要が堅調なうえ、訪日外国人観光客の増加が好影響をもたらした。このため、阪急うめだ本店や福岡市の博多阪急、兵庫県西宮市の西宮阪急など有力店が相次いで前年同期を上回る販売実績を上げている。
月別の売上高は9月まで10カ月連続で前年同期実績を上回った。販売商品では外国人観光客向けの化粧品、貴金属、時計などが好調なほか、婦人服の動きが活発。1,000万円以上の高額商品も好調になってきたとしている。
エイチ・ツー・オーリテイリングは地元の関西で、高級なイメージがある阪急と、食品が充実し庶民的な印象を持つ阪神の両百貨店事業を中心にグループ店を集中出店して顧客を囲い込む「関西ドミナント戦略」を展開している。
10月からはセブン&アイ・ホールディングス傘下だった神戸市のそごう神戸店、大阪府高槻市の西武高槻店の運営を継承した。新店舗2店をドミナント戦略の東西の端と位置づけ、下半期はさらに売り上げ増を期待している。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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