NTN、電気仕掛けの「ハブベアリング」でマイルドHV燃費10%向上 EVにも有効

2017年10月27日 06:43

印刷

「eHUB」(NTNの発表資料より)

「eHUB」(NTNの発表資料より)[写真拡大]

  • 搭載例

 NTNはマイルドハイブリッドを実現できる「ハブベアリングにモーター」を組み合わせた「eHUB」を発売した。

【こちらも】自動車部品など複雑な形状への精密洗浄システムが開発

 これは駆動輪以外のハブに組み込みモーター(10kw)を左右に搭載、コントローラーも開発中。つまり10km/hぐらいまでのスピードであれば4輪駆動とすることが出来て、走行に安定性を与えることが出来る。燃費は10%程度向上すると言う。

 これまで電動アシストを組み込む方式としてはトランスミッションとの組み合わせがあったが、ハブ内にモーターを組み込むのは初めてだ。ハブはタイヤを取り付ける部分ではあるが、軸受けとなっており、タイヤ、ブレーキなどを取り付ける外周との隙間がある。そこにモーターを組み込み、駆動と回生ブレーキの役割を果たす。

 EVの理想的なモーター設置場所としては、ホイールインモーターであるが、出力が少ないとはいえ、ハブ内に収まるモーターは理想的な配置だ。ホイールインモーターの弱点としては、バネ化重量の増大で、操縦性、走行安定性、乗り心地などが損なわれる可能性があるが、軽量に収められるのであれば、EVのモーター取り付け位置としては最適だ。

 これが成功し、モーター出力を上げることが出来れば、自動車の内部はリビングのような配置など、大きく自由度が増すことになる。AI自動運転が実現していく過程での理想的な配置を可能とする。バッテリーが場所を取る見返りとしても期待される配置だ。

 現在の10kw程度のモーターであっても、足回りの造りを変えることなく配置できることは大きなメリットだ。限定的な4輪駆動もバリエーションに加えることは容易で、雪道や路面が悪い場合などの対策に向いており、コントローラーの発売が待たれる。

 カムリなどの後輪に組み込むと、プリウスのE-Fourのように低速域でのスリップする場面で有効になろう。もちろん日産リーフのようなEVでも4駆、電費共に有効である。

 最新の48V駆動のマイルドHVと組み合わせると最大で25%の燃費向上が見込めると言う。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事