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旧作 宇宙戦艦ヤマトIIIの国策と軍事組織の指揮官の働き
旧作 宇宙戦艦ヤマトⅢ の国策と軍事組織の指揮官の働き[写真拡大]
記事提供元:アニメコラムサイト|あにぶ
今回はもはや昔のアニメとなった宇宙戦艦ヤマトシリーズから、作品の発表当時の世界情勢を意識して作らた 宇宙戦艦ヤマトⅢ を取り上げてみました。
地球が侵略される内容の多い宇宙戦艦ヤマトシリーズですが、今回の地球の立場はあくまで第三国です。物語の中ではそれぞれの国の体制や軍の組織が細かく設定されており、同シリーズでも現実に近い描写が多い作品になります。
今回は登場する3つの国家別に、軍の長の行動によって国がどのような結果を辿ったかを掘り下げて考えてみます。
Contents
1 当時の冷戦を描いた 宇宙戦艦ヤマトⅢ2 突然に起こる地球の危機。その背景は?3 超大国ガルマンガミラス帝国とボラー連邦、地球の軍事組織3.1 ⑴ガルマンガミラス帝国とは?3.2 ⑵ボラー連邦3.3 ⑶地球4 それぞれの軍の指揮官の動きはどうだったか?5 最後に地球連邦の藤堂長官の動き6 宇宙戦艦ヤマトⅢ は、今も制作され続ける不朽の名作のひとつ
■当時の冷戦を描いた 宇宙戦艦ヤマトⅢ
宇宙戦艦ヤマトⅢは1980年から放映された宇宙戦艦ヤマトシリーズ最後のTV作品です。この作品の特徴は当時の世界情勢を表現している事です。
当時はアメリカとソビエト連邦という超大国が強大な軍事力で対立しており、最後の戦争の不安が立ち込めていました。
作品でもガルマン帝国とボラー連邦という超大国が強大な軍事力で対立し、『惑星破壊ミサイル』と言う大量破壊兵器を使用した、それまでのヤマト作品とは規模の違う宇宙戦争が行われていました。
銀河系の中では小さな勢力の宇宙戦艦ヤマトが所属する地球連邦が、その戦争に巻き込まれる形で物語は始まります。
■突然に起こる地球の危機。その背景は?
宇宙戦艦ヤマトⅢの物語は、某国の『惑星破壊ミサイル』の流れ弾が地球の太陽に直撃し、太陽系の滅亡まで1年という危機が訪れます。
連邦政府は太陽系の滅亡を認めようとはしなかった事から、極秘に宇宙戦艦ヤマトが地球人の移民先になる星の調査を行う目的で出航します。
地球は当時、太陽系から4.3光年の地域の開発に成功していましたが、開発先にも超大国同士の戦争が飛び火し地球も巻き込まれる形で戦火が開かれます。
■超大国ガルマンガミラス帝国とボラー連邦、地球の軍事組織
⑴ガルマンガミラス帝国とは?
政治体制:大統領制
国家元首:デスラー総統
首都:デスラーパレス
領土:地図上では銀河系の20〜30%
超大国の1つで科学力も進んでいる軍国主義の国家がガルマンガミラスです。『ガミラス』と言うと以前の作品旧ガミラス帝国の完全な独裁国家のイメージが強くありますが、ガルマンガミラスは大統領制を敷く国家と言えます。
その理由は作中で「デスラーは初代総統に選ばれた」とあり、民衆が旗を振って歓迎しているシーンがあります。
これはおそらく選挙によって選ばれた総統=大統領と言って良いでしょう。
ただし、国政の全権を持つ大統領で任期も不明です。
旧ガミラス帝国にも議会や裁判所のシーンがあり、後継国のガルマンガミラスにも存在はしますがデスラー総統の管理下にあると言って良いでしょう。
軍の全権もデスラー総統にありますが、防衛大臣にあたる実務的な長はキーリング参謀総長です。
⑵ボラー連邦
政治体制:一党独裁制
国家元首:ベムラーゼ首相
首都:ボラー本星
領土:銀河系の30〜40%
もう一方の超大国がボラー連邦です。こちらはベムラーゼ首相以外の政治要員がほとんど存在しない事、保護国にも本国の主権が及んでいる事から連邦制を敷く一党独裁制と言えます。
軍の全権はベムラーゼ首相にありますが、実務的な長はゴルサコフ参謀総長です。
⑶地球
政治体制:大統領制
国家元首:地球連邦大統領
首都:地球
領土:太陽系〜4.3光年
超大国に挟まれた形の地球連邦、どこか現実にある身近な国のように思えます。建国当初から議会のある大統領制で知られておりますが、軍の指揮権は地球連邦軍の藤堂長官にあります。
■それぞれの軍の指揮官の動きはどうだったか?
主に3つの国家の行く末を決める物語後半での動きをまとめます。
ガルマンガミラスのキーリング参謀総長、序盤から中盤にかけては軍の会議やデスラー総統に軍事的な作戦の判断を仰ぐ場面で多く登場しています。
デスラー総統が自ら最新鋭の戦艦で出陣すますが、同行もしていません。
おそらくは総司令部のある首都から、出陣したデスラー総統に代わり国の軍事作戦の指揮をとっていたのでしょう。
次にボラー連邦のゴルサコフ参謀総長、こちらの方も同列の参謀総長ではありますが動きは少し異なります。
抑える事で戦況を左右しかねないシャルバート星へ自ら出陣したことで、ガルマンガミラスのデスラー総統の艦隊と衝突し戦死してしまいます。
■最後に地球連邦の藤堂長官の動き
この方も地球連邦の首都から作戦を指揮しており、自らは総司令部を離れる事はありません。
その結果、地球連邦の領土太陽系内でガルマンガミラス帝国とボラー連邦の元首自らが率いる艦隊が衝突しガルマンガミラス帝国側はデスラー総統の戦艦を除き全滅、ボラー連邦側はベムラーゼ首相の要塞も含め全滅と双方大きな被害を負います。
ですが、政府の首脳陣と軍の指揮官のほとんどが生き残ったガルマンガミラスに対し、ボラー連邦はその全てを失ってしまいます。
ボラー連邦の国家としての機能は失われた事になりますね。
作中の描写では目立ちませんが、軍の指揮官が重要場面に不在のボラー連邦のみが国家の機能を失う程の大損害を受けています。
仮にデスラー総統が戦死した場合、ガルマンガミラスは実力も支持も高い指導者を失いますが、無傷の軍事組織が残っています。
これらの強力な戦力と国家組織を保持しているガルマンガミラスは、簡単にボラー連邦の占領下とはならないと考えられます。
■宇宙戦艦ヤマトⅢ は、今も制作され続ける不朽の名作のひとつ
宇宙戦艦ヤマトⅢ の各国の動向と軍事組織、指揮官の行動についてのコラムはいかがだったでしょうか?当時の子供向けのテレビアニメで、これほど政治と軍事組織について深く設定されたアニメ作品は、当時のテレビアニメとしては異例の事だった事と思います。
そして多くのファンを虜にした宇宙戦艦ヤマトは、現在も続編が制作される程人気のある、日本アニメの代表作のひとつではないでしょうか。
新しい平成の宇宙戦艦ヤマトもいいですが、昭和の宇宙戦艦ヤマトも捨てたもんじゃないですよ。
タイトル
宇宙戦艦ヤマトⅢ
監督
松本零士
放送期間
1980年10月11日
主な声優
富山敬、伊武雅之、緒方賢一 ほか
製作会社
よみうりテレビ
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(あにぶ編集部/あにぶ編集部)
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