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グーグル独禁法違反、EUから制裁金3000億円
アメリカ・カリフォルニア州のグーグル本社ビル。 (c) 123rf[写真拡大]
欧州連合(EU)の欧州委員会は27日、アメリカのグーグル(アルファベット傘下)がEU競争法(独占禁止法)に違反したとし、24億2,000万ユーロ(約3,000億円)の制裁金の支払いを命じた。
グーグルが自社の検索サイトにおいて、自社の商品比較サイト「グーグルショッピング」が優先的に表示されるよう設定し、競合サイトを不利にして公正な競争を阻害した、というのが欧州委員会の示す制裁理由である。なお、欧州委員会は2015年4月に同法違反でグーグルに「警告」を行っており、グーグルからの反論などを経て、今回の支払い命令に至っている。
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3,000億円という金額は、欧州委員会による、独占禁止法を巡る単独企業への制裁金としては、2009年にインテルに課せられた制裁金(約1,350億円)を上回り、過去最高額を更新するものである。
EUのベステアー欧州委員は「巨額の制裁金は、グーグルによる違法行為の深刻さを反映するものである」としているが、グーグルは27日、この決定を不服とし、EU司法裁判所への上訴を検討するとの声明を発表した。
また、欧州委員会はグーグルに対してこのほかにも、スマートフォン向け基本ソフト(OS)の「Android」と、ネット広告「アドセンス」の2つの問題についても独占禁止法の疑いで調査を進めている。
2016年には、アップルが「違法な税優遇を受けている」として欧州委員会がアイルランド政府に130億ユーロ(約1兆6,500億円)の追徴課税を命じた例などもあり、トランプ政権下のアメリカは相次ぐこれらの問題に対し、「アメリカ企業に対する狙い撃ち」であるとして反発を強めている。
アメリカとEUの関係は、ただでさえトランプ大統領によるパリ協定離脱決定の問題などがあって悪化の状況にあるが、これによりさらなる火種が加えられることとなりそうだ。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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