関連記事
リスクオフ、リスクオン、しばらく様子見か 6月12日のドル円為替
6月も3週目となった。ドル円の為替相場は1ドル110円台からどのように動いていくのだろうか。先週の市場は1ドル110円28銭でクローズしたが、今週のスタートは幾分のドル高になっている。6月12日7:30(すべて日本時間)時点で1ドル110円44銭までドルが買われた。しかしその後は反発からドル売りの傾向だ。9:30ごろまでに1ドル110円17銭の下値をつけている。
【こちらも】為替週間見通し:ドル弱含みか、米金利見通しに不透明感
ドル買いからスタートした理由としてはフランスの国民議会選挙の動向があげられるだろう。ECBの定例理事会では活気のいい話は聞かれてこなかったが、フランスの国民議会選挙では、マクロン大統領の「共和国前進」が約7割の議席を獲得する見込みであるという報道がされている。今回は第1回投票であり、決選投票は6月18日になるが、リスク選好の動きを誘発する材料となっている。
しかしリスクは依然としていくつも立ちはだかっている。
米国ではトランプ大統領のロシアゲート疑惑が解明されておらず、予定している政策は議会の採決を得られず先送りにされている状態だ。どのくらいの時間を要するのかもわからない。コミー氏の公聴会は実施されたが、トランプ大統領への不信感は根強いのが問題だ。
サウジアラビアやカタールといった中東情勢は予断を許さず、朝鮮半島問題も北朝鮮の核実験、ICBM発射実験について警戒されている。地政学リスクは高まりをみせていると考えてもいいだろう。リスク回避の円買い圧力がドルの上値を抑える形になっている。
一方で下値も限定的になっている背景には今週のFOMCがある。こちらが発表する内容が市場に大きな影響を及ぼすために様子見の傾向が強いのだ。6月の追加利上げは完全に織り込み済みだが、9月または12月にさらなる利上げがあるのかどうか、市場での予想も割れている。大きなサプライズになる可能性もある。発表後のイエレン議長の声明に市場が左右されることも想定されるだろう。
リスクオフか、リスクオンか、その決断が難しいのが今週前半ではないだろうか。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る)
スポンサードリンク