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ソフトバンク、英国VRベンチャーに5億ドル出資、孫氏の積極投資続く
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ウォールストリートジャーナルは12日、ソフトバンクグループが英国のVR(仮想現実)開発ベンチャーインプロバブルに出資することを報じた。ソフトバンクはAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の時代を見据えて、積極的な投資を続けている。
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インプロバブルは2012年にケンブリッジ大学の卒業生が創業。多人数参加型オンラインゲームの開発会社向けに仮想現実世界や現実世界のシミュレーションを開発している。今回、ソフトバンクが主導する資金調達ラウンドで5億200万ドル(約570億円)を調達し、ソフトバンクが取締役会に1席を確保したとしている。出資条件などの詳細は不明だ。資金調達にあたっての同社の評価額は10億ドル強という。
ソフトバンクのマネージングディレクター、ディープ・シャニール氏は、インプロバブルのシミュレーション技術について、「病気の調査や都市の改善、経済の理解、複雑な問題の解決に役立つだろう」と文書で述べているという。孫氏からのコメントはなかった模様だ。
また、フォーブスが報じたところでは、企業などが複雑なシミュレーションを迅速かつ低料金で行うことを可能にし、顧客にはビデオゲームメーカーのほか、テクノロジー大手サムスンや、オックスフォード大学・政府機関などがあるという。
フォーブスが2015年にインプロバブルを特集した際の記事によると、同社のソフトウェアは、ある国で伝染力の強い感染症が発生した場合に想定し得る状況や、ハリケーンが発生した場合の影響などをシミュレートできるという。ゲームの世界だけでなく、現実世界で活用が期待されるのはもっともなシステムだ。共同創設者で最高経営責任者(CEO)のハマーン・ナルーラ氏は、ゲームだけでなく現実世界にも技術を適用していくと述べている。
ソフトバンクの孫正義社長は、今年2月に行われた携帯端末の国際見本市での公演で、30年以内に高いIQを持つロボットの数が数十億になり、またインターネットに接続されるモノ(IoT)の数は1兆を超えるとの見方を示した。この考えに基づき、サウジアラビアの政府系ファンドと共同で10兆円規模のファンドを創設し、AI・IoT・スマートロボットなどの分野に投資する。また英半導体開発大手ARMホールディングスの買収も進めた。今回の出資もこれらの分野への拡大を見込んだ先行投資と言えそうだ。(記事:高橋珠実・記事一覧を見る)
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