ルノー・日産とトランスデブ社、無人運転システム共同開発で合意

2017年3月1日 08:52

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記事提供元:エコノミックニュース

 ルノー・日産アライアンスと欧州最大の公共交通機関を運営管理するトランスデブ(Transdev)社が、無人運転車を活用した公共交通およびオンデマンド型交通向けのモビリティサービスを共同開発すると発表した。

 トランスデブ社は、フランス預金供託金庫の70%出資子会社であり、ヴェオリア社が30%を出資する。トランスデブ社は、公共交通機関のコンサルティング会社としてプロジェクトの準備段階から管理支援、公共交通ネットワークの日常運行まであらゆるサポートを行なっている企業だ。19カ国に8万3000名の従業員を抱える同社は現在、4万3000台の公共交通車両と路面電車22路線を運行管理している。2015年の総売上高は66億ユーロだ。

 ルノー・日産アライアンスとトランスデブ社は、利用者が無人運転車乗車予約を行ない、オペレーターによる自動運転車両の監視および運行管理を可能にする包括的な交通システム開発を実施する。

 ルノー・日産アライアンスでコネクテッド・カーおよびモビリティサービスを担当するSVPのオギ・レドジク氏は、「モビリティサービスが進化を続け、我々は顧客ニーズに合った革新的なソリューションを提供する大きなチャンスを迎えている。これは、ゼロ・エミッション、ゼロ・フェイタリティ社会の実現を目指す当社のビジョンに沿った取り組みでもある。今回の提携により、電気自動車、自動運転車およびコネクテッド技術におけるリーダーであるルノー・日産アライアンスの知見を、世界最大手のモビリティ運行会社の1社であるトランスデブ社と共有することが可能になる。我々は既存の公共交通システムをより良いものにすべく、先進的な無人モビリティシステムを共同で開発する」と述べたという。

 両社は、第一段階として、欧州で最も売れている電気自動車であるルノー「ZOE(ゾエ)」を使ったパリ市サクレー地区での実証実験や、トランスデブ社のオンデマンド配車や運行管理、経路選択のためのプラットフォームなどの検証を行なう。

 トランスデブ社のチーフ・パフォーマンス・オフィサーであるヤン・ルリッシュ氏は、「未来のモビリティはパーソナルなものになるとともに、自動運転化、コネクト化、電動化していく。当社は、公共交通およびオンデマンドシェアサービスの世界的リーダーとして、クライアントに最高のソリューションを提案している。今回のルノー・日産アライアンスとのパートナーシップは、当社の革新力を高めるとともに、互いの強みを融合することで、市場投入までの時間を短縮するだろう」と述べたとされる。

 ルノー・日産アライアンスは、先進のコネクテッド・カー技術およびモビリティサービスの開発を加速すべく、矢継ぎ早にさまざまなパートナーシップを結んでいる。先般発表したルノー日産アライアンスによる米マイクロソフト社の「Connected Vehicle Platform」の採用を正式に表明したことや、モビリティサービスでの無人運転技術活用の検証を含んだ日本のDeNAとの実証実験は、その一例である。自動運転を見据えたAI開発における、世界的な合従連衡の進捗に注目が集まる。(編集担当:吉田恒)

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