外国人労働者受け入れの目的は有能な人材か、それとも安い労働力か

2017年2月15日 18:02

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 米シリコンバレーのテック企業は多くの外国人労働者を受け入れており、米トランプ大統領の入国規制などに反発する姿勢を見せている。このような企業らは、現状の米国人だけでは「才能不足」であり、就労ビザ拡充は不可欠だと主張している。しかし、カリフォルニア大学のコンピュータサイエンス教授であるNorm Matloff氏には、こういった企業は労働者から搾取するために外国人労働者を使っていると指摘している(HuffingtonPostBloombergSlashdot)。

 米国においては、専門職の外国人労働者に対しては「H-1Bビザ」が発行される。しかし、このビザを使って米国内で就労する外国人労働者は、出入国管理法の関係で他社への移籍が難しいという。そのため、「安価で移籍できない労働者」「緊急プロジェクトの最中でも逃げることのない戦力」として企業が外国人労働者を使っているという。さらにこれは、外国人労働者の低賃金にも繋がっているという。

 なお、トランプ政権は現行の就労ビザシステムを見直す大統領令を起草しているという(Bloomberg)。この大統領令は、採用の際にまず米国民を優先し、外国人を雇用する場合は報酬の高い候補者から優先権を与える、というものだそうだ。

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