トヨタの影響じわ、スズキ・ソリオHEV、初めて電池を内製化して追加

2017年1月1日 16:39

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記事提供元:エコノミックニュース

スズキ・ソリオ ハイブリッドSZ。206.28万円。ガソリン車に比べて40万円ほど高い

スズキ・ソリオ ハイブリッドSZ。206.28万円。ガソリン車に比べて40万円ほど高い[写真拡大]

 年末になって突然、スズキが小型トールワゴン「ソリオ」にEV走行が可能なフルハイブリッドモデルを追加し発表した。

 スズキによればEV走行距離は、リチウムイオン電池が満充電の場合で最大2km程度。「40km/hで、3分間程度の走行が可能」という。燃費は32.0km/リッターで、小型トールワゴン車(排気量1.5リッター以下で全高1600mm以上)としてはトップとなった。

 月間販売目標台数はソリオシリーズ全体で3500台。台数の内訳は明らかにしていない。ソリオのパワートレーンは、従来のガソリンエンジンとマイルドハイブリッド(マイルドHEV)に加えて、今回のフルハイブリッド(フルHEV)が加わって3種類となる。

 価格は、従来のガソリンエンジンモデルが約145万円から、同マイルドHEVが約169万円からであるのに対し、今回追加したフルHEVモデルは191万7000円からとした。

 車両寸法やエンジンは、従来どおりで変わりはない。ボディ寸法は全長×全幅×全高3710×1625×1745mm、ホイールベースは2480mmだ。なお、車両重量も全車1000kgを下回る軽量設計とした。エンジンは排気量1.2リッターの「K12C」を採用する。

 小型トールワゴン「ソリオ」のフルハイブリッド(HEV)モデルで注目すべきニュースは、リチウムイオン電池のセルとモジュールは日立オートモティブシステムズ製を採用したが、電池パックをスズキ内製としたことだ。電池パックを内製化したことで、コストや性能面で、最適なHEV部品を選べるようになったという。

 荷室下に配置した電池パックは、2個のモジュールで構成されており、1モジュール当たり14個の円筒形セルが収められている。電池パックの電圧は100Vで、電池容量は440Wh。室内空間をスポイルすることが無いよう、インバーターは電池パックに一体化して収めた。インバーターは三菱電機製である。

 セルのメーカーを日立オートモティブ製にしたのは「コストと性能を考慮してのこと」だという。従来のマイルドHEVは東芝製のセルとモジュール、電池パックはデンソー製だった

 今回の「ソリオ」ハイブリッド車(HEV)の駆動用モーターはデンソー製。ソリオの長所である室内空間の広さをスポイルしないよう、既存のエンジンルームに収まる小型設計が採用のポイントになったという。一般的な永久磁石式モーターで、最高出力は10kW、最大トルクは30Nm。冷却は水冷式。モーターのトルクを10倍に高める減速歯ギアで駆動軸にトルクを伝達する。今後は、この駆動用モーターの内製化も検討する方針だという。

 独フォルクスワーゲン社との提携から訣別、今年に秋にトヨタに支援を求めたスズキ。今後、環境性能技術開発だけでなく、安全運転支援システムや自動運転などのAI技術でもトヨタの協力を仰ぐことになろう。(編集担当:吉田恒)

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