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住宅業界の書き入れ時、シルバーウィーク。2016年後半の注目は、アノ技術
超高齢化社会に突入した我が国にとって、住環境のIoT化は、ただ便利なだけの技術ではなく、介護や福祉的な面でもこれから益々必要とされるものだ。[写真拡大]
住宅業界の書き入れ時といわれるシルバーウィーク。台風の接近などもあり、あいにくの雨模様となった地域も多かったが、それでも各住宅展示場やショールームなどは、住宅購入やリフォームを検討する多くの人で賑わったようだ。
そんな今年のシルバーウィーク商戦でも話題となったのが、モノのインターネット化、いわゆるIoT(Internet of Things)だ。IoTの波は今、住宅市場で確実かつ急速に拡大しつつある。
IoTとは、センサーと通信機能を持ったあらゆるモノがインターネットを介して繋がり、情報交換し合うことによって、制御や認識、計測したりする仕組みのことだ。例えば、玄関ドアがIoT化すれば、出先で自宅の施錠の有無が気になった時も、戸締りの情報をスマートフォンなどで確認し、遠隔操作で施錠、または開錠することもできる。また、観葉植物をIoT化すれば、植物の水やりを忘れていても植物自身が知らせてくれたりすることも可能だ。
例えば、株式会社ヤマダ・エスバイエルホームは、全国の住宅展示場にIoTを活かしたスマートハウス提案コーナーを設置して、今年7月より順次リニューアルオープンしているが、ヤマダ電機グループのIoTを活かした「未来の暮らし」を体感できるので、来場者の注目度も高いという。
また、アキュラホームの宮沢俊哉社長が主宰する日本最大級の工務店ネットワーク「ジャーブネット」は、9月17日から「住みごこち大満足フェア」を開催しているが、その目玉である「家事と家計にやさしい-太陽が稼ぐ家PLUS NEO」は、家事と家計とメンテナンスが「ラク」な家がウリとなっており、そのアイテムの一つにスマホで家電が操作できるIoT機器を採用している。さらに全量買取制度が活用できる太陽光発電システム10.6kWを標準搭載するなど、同商品は話題性も高く、フェア来場者にも好評を得ているようだ。
住宅展示場だけでなく、住宅関連企業各社はIoTの技術を更に有効的に活用にするための研究も進めている。中でも積極的なのがLIXIL で、同社は昨年12月、住環境でIoTの活用を検証する「LIXIL IoT House プロジェクト」を発表し、投資額は約10億円をかけてスタートした。建材や住宅関連機器に搭載したセンサーでデータを集積・分析するほか、新機能や新サービスの創出を図る。そして、2017年には、IoT活用のモデル住宅「IoT House コンセプトハウス」の竣工を計画しており、研究で得られた成果や新機能が実装される予定だ。
超高齢化社会に突入した我が国にとって、住環境のIoT化は、ただ便利なだけの技術ではなく、介護や福祉的な面でもこれから益々必要とされるものだ。住宅購入を検討している人はもちろん、そうでない人も、これから加速するであろうIoT社会の最前線を垣間見ることができる住宅展示場に足を運んでもみると面白いのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)
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