日本製紙、ジュースや牛乳向け液体用紙容器の原紙事業を米ウェアーハウザーから295億円で買収

2016年6月16日 17:42

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日本製紙は、総合林産企業グループの米ウェアーハウザーから、ジュースや牛乳向け液体用紙容器の原紙事業を2億8,500万ドル(約295億円)で買収すると発表した。写真は、ウェアーハウザー社のWebサイト。

日本製紙は、総合林産企業グループの米ウェアーハウザーから、ジュースや牛乳向け液体用紙容器の原紙事業を2億8,500万ドル(約295億円)で買収すると発表した。写真は、ウェアーハウザー社のWebサイト。[写真拡大]

 日本製紙は16日、総合林産企業グループの米ウェアーハウザー(Weyerhaeuser Company)から、ジュースや牛乳向け液体用紙容器の原紙事業を2億8,500万ドル(約295億円)で買収することで合意したと発表した。買収によって、紙パック事業で原紙から加工までの一貫体制を確保し、トータルシステムサプライヤーとしてさらに付加価値を提供できるようになるとしている。

 同社によると、ウェアーハウザーは、液体用紙容器原紙事業で高度な加工技術と設備、輸出に適した立地などの優位性を持つ。これまで液体用紙容器の原紙事業の取引や印刷出版用紙の合弁事業で提携関係にあったが、ウェアーハウザーの事業再編を機会として今回の買収に至ったという。ウェアーハウザーの液体用紙容器原紙事業は、2015年12月期の売上高が3億6,200万ドル(375億円)、営業利益が900万ドル(約9億3,000万円)。

 買収によって、北米に新たな製造・販売拠点を獲得できるほか、産業用紙事業や4月に発足したパッケージング事業の新体制などとの連携やシナジーによって、パッケージ分野での新規事業展開を加速していくという。米国では、紙素材志向の高まりによって紙カップの需要増加が見込まれている。

 日本製紙は2015年~17年度の中期経営計画で既存事業の競争力強化と事業構造転換を掲げており、成長が見込まれる分野の一つとしてパッケージング事業の強化・拡大に取り組んでいる。

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