IIJ、人工知能を活用したセキュリティソリューションの実証実験を開始

2015年7月14日 15:59

印刷

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は13日、人工知能(AI)技術を活用したセキュリティソリューションの開発に向けて実証実験に着手すると発表した。まず、同社のネットワークにAI技術を導入し、サイバー攻撃の自動解析、判断、学習などを行い、その有用性の検証を8月より開始するという。

 今回の実証事件では、AI技術と高性能コンピュータを用いた検証システムを構築し、大量のトラフィックの監視や異常検知が行えることを確認する。その上で、今年度秋をめどにセキュリティ脅威の予兆検知などの実用化に向けた技術検証を進め、来年度に商用化を目指すという。

 昨今、情報セキュリティに関する脅威は複雑かつ巧妙化し、サイバー攻撃や情報漏えいに対するセキュリティ対策は企業にとって重要な課題となっている。一方で、モバイル端末やクラウドサービスとともにM2M/IoTが普及するにつれて、守るべき情報は広範囲に分散され、セキュリティの確保が非常に難しくなってきている。さらに、国内外で情報セキュリティを担う人材の不足が懸念され、スキルを有する人材の確保がより困難になると予想されている。

 このようなセキュリティリスクに対処するために、同社は今回の実証実験を開始する。実証事件では、AI技術を活用し、人手を介さずに24時間365日リアルタイムで大量の通信トラフィックの監視、異常検知を行う。これにより、新たな脅威の予測と迅速な対策が可能になると同社は考えている。

 なお、AI技術の活用は、機器オペレーションの自動化や障害発生時の状況分析に基づく自動切替など、従来人手を介して行っていた対応を、迅速かつ正確に自動で実施できる可能性を有する。そのため、同社はセキュリティソリューションのみならず、ビックデータの解析など、さまざまな分野へのAI技術の応用を模索していく予定だという。(記事:阪木朱玲・記事一覧を見る

関連記事