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第一生命、ベトナムの大手商業銀行と提携。独占的に窓口で保険商品を販売
第一生命保険<8750>の100%出資子会社「第一生命ベトナム」は5月、ホーチミン市住宅開発商業銀行(HDバンク)と業務提携した。今後10年間、HDバンクのネットワークを活用し、独占的に第一生命の保険商品を販売することになる。日本の生命保険会社が、ベトナムの大手銀行と長期的な銀行窓口販売契約を締結するのは初めて。
HDバンクは、ベトナム全土に約220の支店と、約6000人の従業員を抱える商業銀行で、個人や法人、投資家など、豊富な顧客基盤を持っている。
第一生命では、日本国内やインド、インドネシアなどで蓄積してきた銀行窓口販売ノウハウを活用し、ベトナムでの銀行を通じた保険販売を推進していく。
ベトナムの保険市場は、かつて国営の保険会社によって統制されていたが、1994年に自由化されて以降、外資系保険会社が次々と参入し、急速に市場が拡大した。金融IT業界専門の調査会社Celentが公表したレポート「Vietnam Insurance Market and Technology Overview」(2013年7月)によると、ベトナムの保険市場は急成長しており、05~11年の平均成長率は年率13.6%を記録している。レポートは、同国保険市場の今後の成長の原動力として、若年層の多い人口動態、経済成長、中間層の拡大、規制緩和、市場開放、社会保障制度の改革などを挙げている。
こうした中で、第一生命は、07年にベトナムの生命保険会社「バオミンCMG」を買収し、第一生命ベトナムを設立、日本の生命保険会社として初めてベトナムでの生命保険事業を開始した。新規契約における同社のマーケットシェアを見ると、07年度の5.0%から10年度には7.2%にまで拡大している。
同社はすでに同国に50以上の営業拠点と、他社を凌駕する営業代理店網を築いてきた。同社は、こうしたエージェント中心の営業基盤に加えて、銀行窓販や企業体向け販売チャネルへの展開に取り組もうとしている。11年にはベトナム輸出入銀行「エクシムバンク」と生命保険販売で提携した。今回のHDバンクとの業務提携により、同社のベトナム市場での競争力がさらに強化されそうだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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