変容する働き方 15年はインフラ整備を急ぐべき

2015年1月5日 22:36

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記事提供元:エコノミックニュース

かつては「年功序列」そして「終身雇用」という言葉が当たり前のように通じた社会があった。しかしそうした言葉は「働き方の変容」にともない今や薄らぎ始め、多くの人がその言葉に対して前時代的な印象を持ち始めている

かつては「年功序列」そして「終身雇用」という言葉が当たり前のように通じた社会があった。しかしそうした言葉は「働き方の変容」にともない今や薄らぎ始め、多くの人がその言葉に対して前時代的な印象を持ち始めている[写真拡大]

 かつては「年功序列」そして「終身雇用」という言葉が当たり前のように通じた社会があった。しかしそうした言葉は「働き方の変容」にともない今や薄らぎ始め、多くの人がその言葉に対して前時代的な印象を持ち始めている。

 もちろん、以前から「年功序列」「終身雇用」に対して批判的な意見が言われることもあった。しかしその反面、それらを日本ならではの優れた制度として評価する声も少なくはなかった。だが昨今「成果主義」という考え方が大きくクローズアップされるようになってから、それらに対して批判的な考え方をする向きが増えたように感じるのは、筆者だけだろうか?事実、企業間にそうした制度を撤廃する動きが広がっている。

 たとえば日立製作所<6501>は2014年9月、「年功序列」による賃金制度を翌10月より改定すると発表。そして「年功序列」ではなく、担当している仕事内容の責任の重さや、成果などが直接的に給与に反映される制度に見直すとの方針を示した。またソニー<6758>やパナソニック<6752>なども「年功序列」制度の見直しを検討しているという。この日立製作所という大企業による制度見直しの影響は、2015年以降それぞれの業界の企業へと波及していきそうな気配である。

 しかしそうして成果を求められる風潮が広がるなか、従業員に過酷な勤務体制を強いたことにより人員不足を招き、深夜営業が行えない店舗を発生させるなどして業績を落とした牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングス<7550>、そして「ブラック企業」というイメージを払しょくすることができないまま、やはり業績を落とし続けている、居酒屋「和民」などを展開するワタミ<7522>といった例からもわかる通り、従業員に「成果」を求めるあまり企業イメージを損ない、かえって業績を落としてしまった企業もある。

 「成果主義」を否定するつもりはない。それも1つの働き方であると思う。しかしそのためには企業と働く人間の間に、フェアな関係性が築かれることが必要ではないだろうか。企業側だけが利を得る「成果主義」では働く側はもちろん、長い目で見た場合、企業側にも「成果」はもたらされない。またそうして企業側だけが利を得る「成果主義」を推し進めようとする企業が多いことも、正社員として働こうとしない若者を生み出す一因であると思われる。

 15年は、こうした「変容する働き方」のインフラ整備を急ぐべきではないだろうか?(編集担当:滝川幸平)

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