第一三共、インド子会社のランバクシー社とサン・ファーマ社の合併を発表

2014年4月7日 22:04

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第一三共のインド子会社ランバクシー・ラボラトリーズのWebサイト

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 第一三共は 7日、インドの子会社、ランバクシー・ラボラトリーズ社が、同国の製薬大手、サン・ファーマシューティカル・インダストリーズ社(サン・ファーマ)と合併したと発表した。

 合併比率はランバクシー社株式1に対し、サン・ファーマ株式0.8で、ランバクシー社がサン・ファーマに吸収合併される形となる。第一三共は、ランバクシー社株式の約63.4%を保有しているが、今回の吸収合併で、第一三共はサン・ファーマ株式の約9%を取得し、取締役1名を派遣する権利を有することになる。サンファーマは、合併によりインド最大の製薬企業となり、世界第5位のジェネリック(後発医薬品)企業となる。

 第一三共は、海外製薬企業のM&A(合併・買収)戦略の一環として2008年6月に5,000億円を投じてランバクシー社の買収に踏み切った。しかし、その後、ランバクシー社は工場の品質問題で米国食品医薬局 (FDA)から、主力工場における米国への禁輸措置を受けるなど、いくつかの問題を抱えていた。

 米国への禁輸措置では、ランバクシー社の株価が大幅に下落し、その影響で、第一三共は2009年3月期には、単独ベースで4,000億円強の特別損失を計上、最終赤字に転落する事態に陥った。ランバクシー社の経営は、第一三共の業績に大きな負担となっていた。

 ランバクシー社とサン・ファーマとの合併は、第一三共にとって、事実上のランバクシー社の売却と見られている。しかし、世界の後発医薬品市場は、引き続き成長が見込まれており、同社は「今後、サン・ファーマとの提携を通じ、この分野でのビジネスチャンスを拡大していきたい」としている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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