大阪を元気にする花と緑の新名所「希望の壁」

2013年11月9日 19:11

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記事提供元:エコノミックニュース

5日に完成披露が行われた、新梅田シティの新名所・希望の壁。世界最大の緑の壁に提案者で建築家の安藤忠雄氏(左)も満足げな笑顔を見せ、積水ハウス会長の和田勇氏(右)とテープカットした。

5日に完成披露が行われた、新梅田シティの新名所・希望の壁。世界最大の緑の壁に提案者で建築家の安藤忠雄氏(左)も満足げな笑顔を見せ、積水ハウス会長の和田勇氏(右)とテープカットした。[写真拡大]

 大阪の玄関口である大阪キタが、急速に変わり始めている。

 2011年5月に5代目の駅舎となる大阪駅と併設の大阪ステーションシティが開業したのを皮切りに、今年4月には「グランフロント大阪」が開業し、話題を呼んだ。そんな中、今度はそのグランフロント大阪と線路を隔てたところにある複合施設・新梅田シティに新名所が誕生した。新梅田シティといえば真っ先に思い浮かぶのがスカイビルだろう。地上40階建て173m。世界初の連結超高層ビルは、今や大阪キタのランドマーク的な存在となっている。

 その新梅田シティに、高さ9メートル、全長78メートル、世界に類を見ない巨大な緑の壁が現れたのだ。その名も「希望の壁」。世界的に有名な建築家・安藤忠雄氏の発案に賛同した積水ハウス<1928>が総工費は約4億円をかけ、今年6月から整備を進めていた。折しも、今年は新梅田シティ開業20周年の記念すべき年。積水ハウス自身も同施設内に本社を置いていることからも、この場所に設置することになったようだ。

 また、同社では2006年にスカイビルの北側約8,000平方メートルの土地に日本の原風景を再現した「新・里山」を作っている。ここでは「3本は鳥のために、2本は蝶のために、」というコンセプトで日本の在来樹種を植栽することによって生態系の再生を目指す「5本の樹」計画の考え方のもと、日本の原風景「里山」を手本とした植栽が行われている。また、近隣の幼稚園や小学校と連携し、同社の従業員が講師を務める体験学習等を実施して、教育貢献を行っていることで知られている。今回、設置された「希望の壁」は、まさにこの「新・里山」に隣接する位置にあり、花が咲き誇る季節には、お互いの景観が美しく眺められるという。

 5日に開催された完成披露式典に出席した発案者の安藤氏は「世界に誇れるすごい壁が出来上がった。大阪はアジアの人が多く訪れる街。大阪の美しさを世界の人に感じてもらえるものになれば」と語った。また、積水ハウスの代表取締役会長 兼 CEOである和田勇氏も「大阪を元気にする新名所。数年後には一面の花の壁が出来上がる。多くの人に訪れてもらいたい」と挨拶した。

 同式典はさわやかな秋空の下、希望の壁の前で行われ、大阪桐蔭高等学校吹奏楽部による演奏や、地域の子供たちによる記念植樹など、和やかなムードの中、通りがかる人々の注目を集めていた。コンクリートが林立する大都市のど真ん中にこのような緑があるだけでほっと心を癒される人も多いだろう。人が多く集まる場所だからこそ、このような施設は必要なのかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

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