一つの時代の終わり さよならボーイング? JAL、エアバス社A350型機の導入を決定

2013年10月14日 13:21

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記事提供元:エコノミックニュース

JALは、中長距離路線用の更新機材として、「エアバス」のA350型機の導入を決定し、A350-900型機18機およびA350-1000型機13機からなる確定31機、およびオプション25機の購入契約を締結した。

JALは、中長距離路線用の更新機材として、「エアバス」のA350型機の導入を決定し、A350-900型機18機およびA350-1000型機13機からなる確定31機、およびオプション25機の購入契約を締結した。[写真拡大]

 日本航空(JAL)<9201>は、6月末の時点で、214機の航空機を所有しているが、その内の166機がボーイング社製だ。これは全体の実に8割を占める。他には、ボンバルディア社製や、エンブラエル社製で、エアバス社製のものは、1機もない。しかし、この半世紀にわたる圧倒的なJALに対するボーイング社のシェアの構図が、今回の新型機導入を機会に大きく変わるかもしれない。

 JALは、中長距離路線用の更新機材として、「エアバス」のA350型機の導入を決定し、A350-900型機18機およびA350-1000型機13機からなる確定31機、およびオプション25機の購入契約を締結した。

 同社がエアバス機を発注するのは初めてであり、エアバスが日本の航空会社からA359型機を受注するのも初めて。今後、同社とエアバスは2019年のA350型機運航開始を目途に準備し、6年程度で更新を進めていくとしている。

 A350型機に関しては、14年の商業運航に向けて13年6月より試験飛行が行われている-900型のほか、派生型として長胴型の-1000型、および短胴型の-800型の開発が進められており、新開発のロールスロイス社製エンジンがいずれにも装着される。この新開発のエンジンに加え、胴体・主翼など広範囲に複合材を用いることにより、同サイズの既存機に比べて大幅な燃費改善が見込まれるなど、優れた経済性を有している。また、A350型機は機内の気圧を地上に近づけることなどで、 乗客に快適な空の旅を提供することが可能となっている。また燃費改善に伴い、二酸化炭素や窒素酸化物の排出も抑え、環境にも優しい航空機だ。

 確定31機の購入金額は明らかにされていないが、カタログプライスでは、およそ9500億円だ。もっともエアバス社は、ボーイング社からの顧客奪取ということで、戦略的なプライスを提示したのは間違いないだろう。JALにしても10年に経営破綻しており、当然コスト意識は高くなっているので、日本市場をボーイング社から奪取したいエアバス社との間で思惑が一致したとみることもできる。また、現在、航空機市場では、燃料費高騰によって、低燃費の航空機の需要が高まっている。エアバス社は、A350の燃費はボーイング777と比べて25%、同787と比べて6%優れているとしており、この低燃費も、JALがエアバス社の導入の決定の一因としたのは間違いない。

 「JALは、高い運航性能、商品競争力を持ったA350型機を最大限に活用し、首都圏発着枠拡大をはじめとするビジネスチャンスに積極的に対応していきます。今後も、機材更新による変動費の低減など、収益性の向上を図りつつ、新しい客室仕様や着実なネットワーク展開により、常にお客さまに最高のサービスを提供してまいります」と同社の代表取締役社長・植木義晴氏はコメントしている。

 ともあれ、今回の同社のA350導入がエアバス社にとって、日本市場参入への大きな突破口となるだろう。(編集担当:久保田雄城)

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