ファーストリテ、電算システム、日本金銭機械など/本日の注目個別銘柄

2013年10月11日 15:41

印刷

記事提供元:フィスコ


<9983> ファーストリテ 33450 -1100売り先行。前8月期の決算を前日に発表している。市場予想を下回る内容にネガティブな見方が強まる格好へ。実績の営業利益は1329億円で前期比5.1%増益、従来予想の1475億円に加えて、市場予想の1430-1440億円をも大きく下回る着地に。国内事業の粗利益率低下などが下振れ決算の背景となる。今期見通しは1560億円で前期比17.4%増益の見通しだが、こちらも市場コンセンサスを100億円近く下回っている。アナリストの投資判断に関しては、「中立」スタンス継続で目標株価を引き下げる動きが目立っている。

<9984> ソフトバンク 7230 +160買い優勢。野村では投資判断「バイ」を継続で、目標株価を7370円から8590円に引き上げている。アリババを15.3期以降の持分法損益に織り込み、中期税引利益を5%上方修正したことが背景のようだ。10月の携帯契約状況は改善とのドコモ<9437>社長コメントなどが伝わっているが、特に弱材料視される状況にはつながらず。

<7751> キヤノン 3115 -10上値重い。1-9月期の営業利益は前年同期比2%減の2400億円前後になったもようとの観測報道が伝わっている。デジカメの低迷が響いて想定を下回る格好になったようだ。7-9月期の営業利益は870億円程度、市場コンセンサスは200億円ほど下回る形とみられる。ただ、会社計画比での下振れ懸念は強かったとみられ、地合いの改善や為替の円安が進む中、下げ幅は限定的に。

<7731> ニコン 1821 +73大幅続伸。野村が投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げで、目標株価を1992円から2020円に引き上げている。足元のデジカメ市場は、ほぼ想定通りに推移しているもよう。競合他社も含めた生産抑制により、大きな業績リスクとして懸念された値下げ競争は起こっていないと指摘。通期業績には上振れ余地が高まってきたとの見方。業績懸念で株価の低調なパフォーマンスが続いてきていただけに、ポジティブなインパクトが強まる状況へ。

<6758> ソニー 1919 +20シティでは投資判断を「1」から「2」へ格下げ、目標株価も2600円から2100円に引き下げている。テレビ、PC、カメラの業績が伸び悩み、通期会社計画が未達になる可能性も意識するべき状況と指摘している。エンタテインメント事業の管理強化、グループ企業の再編など新しい動きも見られず、EPSやROEの急拡大への期待も高まりにくいと考えているようだ。

<9477> KADOKAWA 3275 -160売り優勢。前日にはノーベル文学賞の発表が行われているが、有力候補とも見られていた村上春樹氏は受賞を逃し、期待感が先行していた関連銘柄には失望売り圧力が強まるものも見受けられる。出版最大手の同社のほか、書店の丸善CHI<3159>などの下げが目立つ格好へ。

<7516> コーナン商事 1013 -52売り優勢。役員の不正情報を調査するために、本日予定していた上半期の決算発表を延期すると発表している。女性取締役が海外の取引先からリベートを受けるなど不正を行った疑いがあるもよう。また、同取締役が実質経営する不動産会社との不透明取引に、社長が関与していることも判明と一部では伝わっている。今後の信用力の低下などが警戒される状況に。

<6915> 千代田インテグレ 1442 +138上げ目立つ。前日には前8月期の決算を発表、上振れ決算がポジティブに捉えられている。営業利益は24億円で前期比2.1倍、従来予想の18億円を大幅に上振れての着地となっている。6-8月期に限ってみると、前年同期比11.8倍、前四半期比2.4倍の水準であり、足元の急速な収益水準の拡大を評価する動きに。なお、今期は25億円で前期比4.0%増益にとどまる見通しだが、水準自体は市場予想も上回っている。

<3630> 電算システム 1460 +300ストップ高。ドコモ<9437>とGoogleの企業向けクラウドビジネスに関する業務提携を締結と発表、提携効果の高まりを期待材料視する動き優勢になっている。同社はGoogleから国内数社のみとなる「Google Apps(TM)プレミアエンタープライズリセラー」の認定を受けているが、ドコモがスマホの法人市場拡大に向けてGoogle Apps for Businessの取扱を開始したことで、スマートデバイスの利便性とクラウドメリットの効果を最大限企業へ提供すべく、戦略的パートナーとして業務提携したもよう。

<6418> 日本金銭機械 2295 +199大幅反発。カジノ関連銘柄の一角として改めて関心が高まる状況となっている。本日は同社の他にも、オーイズミ<6428>やグローリー<6457>など関連銘柄の強い動きが目立っている。15日には臨時国会が召集される予定だが、IR議連では同国会でカジノ解禁法案の提出を目指す意向などと以前から伝わっていた。来週以降に想定されるカジノ解禁議論の高まりを先取りする動きにも。

<9716> 乃村工藝社 890 -32さえない。前日に上半期の決算を発表、営業利益は22.7億円で前年同期比7.6倍、従来予想の19億円を上振れる着地となった。通期予想も従来の35億円から39億円に増額修正している。ただ、第1四半期の段階で16.8億円を計上し、上半期は従来予想の7.5億円から上方修正していたこともあり、上振れは想定線といった見方が強い。むしろ、通期予想が期初から4億円の増額にとどまっていることがネガティブにも捉えられる。《FA》

関連記事