住友商事、独社と航空機エンジンリース事業を共同展開 合弁会社を設立

2013年9月17日 16:41

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 住友商事は17日、ドイツの航空機エンジン製造・整備大手MTU Aero Engines社と、航空機エンジンリース事業の共同展開を目的とした合弁会社2社をオランダ・アムステルダムに設立することについて合意したと発表した。

 具体的には、MTU社とともに中長期エンジンリース事業を主体とする「Sumisho Aero Engine Lease B.V.」を、またMTU社の100%子会社であるMTU Maintenanceとともに短期エンジンリース事業を主体とする「MTU Maintenance Lease Services B.V.」を年内に設立する予定。

 住友商事は長年にわたり、民間航空機ビジネスとして航空機・エンジンのオペレーティングリース事業、機体売買、エンジン整備、部品供給など航空アフターマーケット市場に注力してきた。

 近年、多額の初期投資の回避、資産のオフバランス化の必要性などから、航空機用スペアエンジンは航空機本体と同様にエアラインが長期リース形式で導入する需要が増加している。また、格安航空の台頭も相まって、エアラインがより効率的な運営を目指して、必要な時(エンジン整備時等)のみスペアエンジンを短期リースで手配する傾向も高まっている。

 今回独立系エンジン整備会社としては世界最大のMTU社と共同で立ち上げるエンジンリース事業は、住友商事の資金力・長期リースの知見とMTU社の整備力・短期リースノウハウを組み合わせ、今後のエアライン業界の幅広いニーズに対応する新しい試みとなる。

 なお、住友商事は、昨年6月に三井住友ファイナンス&リースとともに約73億ドルで英大手銀行ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの航空機リース事業を共同で買収し、事業会社としてSMBC Aviation Capitalをアイルランドに設立している。今後、SMBC Aviation Capitalでの航空機リースをコア事業に位置付け、同事業とのシナジー効果が期待されるエンジンリース、MTU社での整備を含めた対エアライン向けパッケージ型ビジネスの展開を図っていく方針。

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