JCB、ラテンアメリカでカードを初発行 ブラジル大手銀と提携

2013年9月10日 12:53

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 ジェーシービー(JCB)の海外業務を行う子会社ジェーシービー・インターナショナルは10日、ラテンアメリカ最大の政府系金融機関Caixa Economica Federal(ブラジル連邦貯蓄銀行)と、ラテンアメリカ初となるブラジルでのJCBカード発行について合意に至り、9月9日にCAIXAの本社所在地である首都ブラジリアにてライセンス契約書を締結したと発表した。

 JCBとCAIXAは同契約書に基づき、2014年4月を目処に、ブラジル在住の一般消費者向けにJCBブランドのクレジットカード発行を開始すべく準備を進めている。将来的には、クレジットカードのみならず、JCBブランドのデビットカードやプリペイドカードの発行についても検討し、クレジットカードの発行開始後3年間で計500万口座以上のJCBカードの発行を目指す。

 CAIXAは、ブラジルの連邦政府に所属する同国の代表的な金融機関で、都市開発やインフラ整備、低所得者向けの社会プログラムの実施などに関して重要な役割を担っている。100%政府系銀行としてはラテンアメリカ最大、かつブラジル4大銀行の1つと称されている。また、国内の全市町村に支店を持つ同国唯一の銀行であり、全国の支店ネットワークを活かしてカード発行にも積極的に取り組んでいる。なお、同行のクレジットカード発行残高は1,100万枚、デビットカード発行残高は7,600万枚。

 約2億人の人口を抱えるブラジルは、近年の急速な経済発展と国民所得の上昇により、消費者のカード決済ニーズの急激な高まり・拡大が見込まれている。JCBは、1997年にブラジル最大のカード加盟店網を保有する金融機関Cieloと提携し、旅行者の利便性向上に努めている。現在では、クレジットカードが使えるほぼ全店にあたる120万店でJCBカードの利用が可能となっている。また、2012年7月にサンパウロに現地法人を設立し、南米での加盟店網拡充を強化しているほか、ブラジルでのJCBカード発行について検討を本格化してきた。

 今回の提携は、日本発唯一の国際カードブランドかつ大手カード発行会社でもあるJCBのノウハウを活用して顧客基盤を一層拡大したいCAIXAと、ブラジル国内最大のCAIXAのネットワークを活かし、ブラジルでのJCBブランドの確立および会員基盤を築きたいJCBの狙いが合致し、実現したもの。

 JCBは今後、2014年4月のJCBカード発行開始を目指してCAIXAと検討を進めることに加え、現地金融機関と協力し、2014年のFIFAワールドカップ、2016年のオリンピック開催までにより一層の加盟店網拡充に努めていく方針。

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