コクヨ、インドでノート生産 現地メーカーを買収

2013年9月6日 14:17

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 コクヨは6日、インドのノートメーカーRiddhi Enterprises(以下RE社)を買収すると発表した。

 今回、RE社と事業譲渡契約(土地建物・生産設備・販路・従業員・ライセンスなど全ての有形無形資産)に合意した。今後2ヶ月程度の許認可等の要件充足期間を経て、今年10月頃、コクヨグループ子会社(コクヨS&Tを想定)がインドにて設立する100%子会社Kokuyo Riddhi Paper Products Private Limited(仮)への事業譲渡を完了する予定。なお、新会社移行後は役員体制・組織体制は変更するものの、現経営陣・従業員を引き継ぎ、現地での持続的な事業推進体制を維持していく。

 コクヨグループは2011年10月、コクヨS&Tがインドの大手老舗文具メーカーであったカムリン社の株式の過半を取得し、インド文具市場に参入、インド全土をカバーする販売・物流網、5工場(ノート工場は無し)の生産拠点・インク技術、80年超の歴史の高いブランド力、充実した人材・制度・ITシステムなどの経営基盤を獲得した。以来2年にわたり、コクヨカムリン社(本社:マハラシュトラ州)として経営の近代化と既存製品の強化に取り組む一方で、コクヨが得意とするノート紙製品についても、同社の流通・販売網に乗せていくための生産能力獲得にむけて検討を重ねてきた。

 RE社はコクヨカムリン社と同じマハラシュトラ州に本社・ノート生産工場を持ち、自社でブランドは有さずOEMメーカーとして全量を米国・中南米・中東・アフリカに輸出しており、インド国内への販路は持っていない。その特徴が今回のM&Aにおけるコクヨの狙いと合致した。

 コクヨグループはRE社の買収により、今回の最大の目的である、コクヨカムリン社のインド国内販売用のノート生産能力を獲得するとともに、コクヨのノート事業にとって新市場となる米国・中南米・中東・アフリカへの販路を獲得し、コスト競争力のあるインド発の新市場拡大を実現することになる。コクヨは同販路を活用し、コクヨカムリン商材を中心にノート以外の商材の輸出も行う予定。

 また、譲渡を受けるRE社保有の工場土地(総面積22,400m2)には未使用敷地があり、当面は既存輸出事業で安定的な工場稼動を保ちつつ、インド国内用販売の拡大に併せて工場の拡張を行う予定。

 なお、今回のインドでのノート工場獲得は、コクヨグループにとって日本・ベトナム・中国につづき4カ国目のノート工場となる。

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