ANA、米パイロット訓練会社を約137億円で買収

2013年7月31日 13:18

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 ANAホールディングスは30日、同日、米国No.1のパイロット訓練会社Pan Am Holdings, Inc.およびPan Am International Flight Academyを含むその子会社の全株式を、American Capital, Ltd.、同社の関連会社が運用する投資ファンドならびにその他Pan Am社株主から1億3950万ドル(約137億円)にて取得することに合意し、株式売買契約を締結したと発表した。

 Pan Am社は、1980年にパンアメリカン航空のパイロット訓練部門として設立された。パンアメリカン航空の破綻後も独立系の訓練提供会社として事業を継続し、米国内航空会社からのパイロット訓練需要を取り込むだけでなく、南米・アジアを含むグローバルでのパイロット養成需要の増加を背景に着実に成長を遂げてきた。さらに、2012年には基礎訓練学校であるAirline Career Academy社を買収し、訓練業容を拡大している。

 また、ANAグループは2011年にpanda Flight Academyを設立し、パイロット訓練事業に参画しているが、panda社とPan Am社はこれまでも販売面における業務提携を行う中で良好な関係を構築してきた。

 ANAホールディングスは今回の株式取得により、高品質な訓練プログラムを提供するノウハウ、および強固な事業プラットフォームを獲得することで、グループのパイロット訓練事業の強化が可能になる。さらには、特にアジア市場において今後飛躍的な増加が見込まれるパイロット養成需要を早期に取り込むことが可能となり、ANAグループの訓練事業のグローバル展開を加速化させるとともに、グループの企業価値増大に寄与すると期待されている。

 ANAグループは2013年4月30日に発表した「2013-15年度 ANAグループ中期経営戦略」において、昨年の公募増資で得た資金等を活用した、成長領域への戦略的投資を実施することを掲げている。今回のPan Am社への戦略的投資を通じて、ANAグループは航空関連ビジネスを拡大し、収益ドメインの多様化を推進していく。

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