日立、交通系ICカード「Suica」の履歴情報を分析 ビッグデータとして利活用

2013年6月27日 21:17

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 日立製作所は27日、交通系ICカードのビッグデータを利活用し、駅エリアマーケティング情報として提供する「日立 交通系ICカード分析情報提供サービス」を、7月1日より開始すると発表した。

 今回提供開始するサービスは、JR東日本から個人情報を含まない交通系ICカード「Suica」の履歴情報の提供を受け、日立のビッグデータ解析技術により分析し、首都圏における駅エリアの利用目的や利用者構成などをレポートとして提供するもの。

 日立はこれまで、主に首都圏エリアを網羅する交通系ICカードの膨大な履歴情報に着目し、JR東日本との共同研究などを通じて交通系ビッグデータ利活用に関する知見を深め、ビッグデータを利活用したサービスの事業化を検討してきた。

 具体的には、改札通過データから旅客流動を多角的に分析する技術や、典型的な移動パターンから駅の利用目的(住宅エリア/勤務エリア)を推定する技術、大量のデータを効率よく処理するためのビッグデータ処理基盤の構築など、交通系ビッグデータの分析に関する技術を蓄積するとともに、駅エリアに関するマーケティング情報のニーズを調査してきた。これらの成果を活用し、今回「日立 交通系ICカード分析情報提供サービス」を開始する。

 同サービスでは、主に駅エリアを中心にビジネスを展開する企業に向け、毎月定期的に、駅の利用状況の分析データをさまざまな分類でまとめた「駅利用状況分析リポート」を提供する。同レポートは、駅の利用者の性年代構成をはじめ、利用目的(訪問者/居住者など)や滞在時間、乗降時間帯などを平日・休日別に見える化するほか、これらの情報と独自の評価指標を用いて特徴を抽出することにより、駅のタイプ(住居/商業/オフィスなど)を割り出すなど、多岐にわたるマーケティング情報を網羅する。

 これらの情報により、同サービスを利用する企業は、駅エリアの集客力や集客層、潜在商圏の広さ、通勤圏、駅エリアを最寄り駅とする居住者の規模や構成などを把握し、出店計画や立地評価、広告・宣伝計画などへ活用していくことが想定される。

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