カネカ、青森に有機ELパネル量産実証設備を増設 世界初の蒸着技術を導入

2013年6月14日 12:12

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 カネカは13日、有機材料の真空蒸着工程において、新たに面蒸着技術を取り入れた有機ELパネル量産実証設備を、100%子会社であるOLED青森(本社:青森県上北郡六ヶ所村)に増設し、今年4月より稼働を開始したと発表した。

 新設備は経済産業省先端技術実証・評価設備整備費等補助金より補助を受けている。既存設備はポイントソース(有機材料の蒸着を一つのノズルから行う方式)およびリニアソース(有機材料の蒸着を線状に並べたノズルから行う方式)による蒸着方式を採用していたが、今回、量産が可能な設備としては世界で初めて面蒸着方式を採用した。

 新設備では、既存設備と比べて、面内蒸着膜厚分布を5%から3%以内に抑えることと、材料使用効率を約5%から20%強へ向上させることにより、有機ELパネルを製造するために使用する高価な有機材料の使用量を抑えることが可能となり、変動費を従来の約40%に削減可能となった。加えて、1メートル四方相当の大面積蒸着装置も導入し、更なるコストダウンを目指す。

 有機EL照明は、「薄型化できデザイン性に富む」、「温暖色のやわらかい光が得られる」、「面光源であり拡散板などの光学部材が不要」、「水銀を使用しないため環境に優しい」という特徴がある。カネカの有機ELパネルはレストランなどの店舗照明に採用され、高級住宅用のデザイン照明や有機ELパネルを組み込んだ家具や建材用途などを中心に採用活動を続けているが、更なる需要・用途の拡大を図るためには従来の光源と比べて高価格であること、有機ELの認知度向上などが課題となっている。

 カネカは、今回の新設備の稼動により更なるコストダウンをはかる。また、ミラノサローネをはじめ各種展示会において様々なデザイン・使用用途を提案することで、グローバルで市場創生期を迎えつつある有機EL照明市場において確固たるプレゼンスを築き、更なる事業の拡大を目指す。

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